2022年 03月 26日
「山本亮平・平倉ゆき展 白瓷のアティチュード」8日目-4
「山本亮平・平倉ゆき展 白瓷のアティチュード」の8日目-4。
白瓷旅花入(幅15・高さ16.5cm)。李朝の扁壷や沖縄の抱瓶のような腰に添わせる円弧形をしていますが、骨董的なアプローチよりも戦中のアルマイト水筒のような道具然とした印象のある花入れで、肩に付いた簡素な紐がそれを助長しています。これを白瓷で「旅花入れ」としたところが、山本さんらしく思います。旅先でちょっと花を添える粋な使い方を想定していそうですが、なかなか鞄に入れて持ち歩く携帯性には疑問が残ります。むしろ日常の中で床の間に飾る構えた花ではなく、気取らずに「旅先」のような気持ちで花を添える行為を促すことこそが、この花入れの役どころのように思えます。山本さんの場合、茶道具にしろ、花入れにしろ、普段あまり気に留めないささやかなことを、大切に紡いでいこうとする感覚が作るものに表れているように思います。
【山本亮平・平倉ゆき展 オンラインストア】3月27日(日)23時まで
山本亮平・平倉ゆき展 白瓷のアティチュード
2022年3月19日(土)~27日(日)
11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6
山本亮平
1972年 東京都生まれ
1998年 多摩美術大学油絵科卒業
2000年 佐賀有田窯業大学短期修了
2022年 佐賀県有田町にて制作
平倉ゆき
1978年 長崎県生まれ
2000年 佐賀有田窯業大学短期修了
2001年 絵付師として3年間活動
2022年 佐賀県有田町にて制作
by sora_hikari | 2022-03-26 17:15 | 山本亮平・平倉ゆき展