2022年 01月 06日
「福島誠・四海大 二人展 益子の息吹」開催のお知らせ


1月15日(土)から23日(日)に開催する「福島誠・四海大 二人展 益子の息吹」のご案内です。
福島誠・四海大 二人展 益子の息吹
2022年1月15日(土)~23日(日)
11時~18時 最終日は17時迄
作家在廊日 1月15日・16日
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
益子焼の歴史を辿れば江戸末期に水甕や壺などの日用品が始まりだと言われますが、昭和に入ってからは濱田庄司や島岡達三による民藝の流れに結び付きます。いまでも益子焼と言えば、この民芸調でぽってりとした作風を思い浮かべますが、個人的な経験で言うなら関東の経済圏に最も近い窯業地であるがゆえに、時代時代に合わせてそのスタイルを変化させてきた中心的な様式のない焼き物産地だと認識しています。
事実、毎年開催される益子の陶器市ではたくさんの窯元や陶器店、そして個人の作家がテントを連ね、そこに並ぶ陶器は百花繚乱で一定の様式で括ることはできません。500人もの陶芸家がいると言われる産地ですから、それぞれの作家が独自のスタイルをお披露目すれば、そもそもひと括りで益子焼を語るのは無理があるでしょう。
しかし全体的な傾向として茶陶や美術工芸よりも、時代に合わせた生活向きのクラフト調(抽象的な言い方ですが)のうつわが中心であるように思います。良く言えば時代の要請に準じて変化する柔軟性のある産地と言えますが、一方で流行に流されて揺らぐ益子焼はどこを見どころにすればいいのか常々翻弄されてきました。
しかしここ数年でしょうか。益子で原土に拘り、薪窯焼成による「焼き物」を志す新たな作り手が醸成されてきているように思います。弊店との関わりで言えば、鶴野啓司さんや芳賀龍一さんなどの益子焼の市場に縛られることなく、また従来の桃山陶の流れとも一線を画す作家たちです。さらに今はその裾野が広がり、陶器市の需要とはまた違った活動に取り組む新たな「益子の焼き物」の風を感じるのです。それらは六古窯の産地の発生源とは異なる平成後期から令和にかけて顕著になってきた新たな焼き物の解釈です。
今展ではその内の二人にスポットを当ててみたいと思います。荒々しい化粧土の器が特徴的な福島誠さん、薪窯で幅広く器を作る四海大さん。まだ発表の場が少なく今回初めて目にする方も多いと思います。これもまた時代に翻弄された益子の動向なのか、いやこれからの益子を作り上げていくのか。2022年の年初にあたり、まだ未知数ながら、この二人を通して益子焼の新たな息吹をお届けしたいと思います。どうぞご高覧ください。店主
福島誠/Makoto Fukushima
1978年 茨城県境町生まれ
2001年 職人を経て益子で陶芸を学ぶ
2011年 作家活動を始める
2022年 現在、栃木県益子町にて制作
四海大/Dai Shikai
1992年 福岡県北九州市生まれ
2013年 自動車メーカー勤務
2017年 栃木県窯業技術支援センター入所
2022年 現在、栃木県益子町にて制作

by sora_hikari | 2022-01-06 12:58 | 福島誠・四海大二人展