2021年 12月 13日
「岡崎真奈美展 布伝説」開催のお知らせ


12月18日(土)から26日(日)まで開催する「岡崎真奈美展 布伝説」のご案内です。
岡崎真奈美展 布伝説
Manami Okazaki The Legend of Old Textile
2021年12月18日(土)~26日(日)
営業時間11時~18時 最終日は17時迄
全日在廊
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
ティモール テキスタイルの屋号で活動する岡崎真奈美さんの古い民族布と古物の展示会です。名前の通りインドネシアの西ティモールを中心に中国・東南アジア・環太平洋地域の民族織物や民具を扱っています。文化服装学院を卒業後10年間アパレルの仕事に就きますが、次第に消耗していく自分に気づき1995年から布探しの旅が始まりました。タイ、ラオス、ベトナム、ミャンマー、ネパール、インドを巡り、インドネシアのスマトラ島、ジャワ島、そしてバリ島へ。彼女を運命づけたのはバリ島で手にしたティモールから運ばれてきた力強い幾何学模様の一枚の布でした。
ティモール島はインドネシアの東端に浮かぶ島で、二つの国で成り立っています。島の半分は東ティモール民主共和国、もうひとつはインドネシア領の西ティモール。ここに暮らすアトニ人はメラネシア系の民族です。このティモール島周辺が大陸から伝った木綿と織物の最終着地点と考えられています。縮れた髪、銅褐色の肌に大きな瞳を輝かせ、裸足で布を巻く男たちと原始機で織物を織る女性たちの姿にすっかり魅了されました。旅の始まりから既に2年の月日が流れ、この経験を機にティモールを中心にアジア各地と日本を行き来しながら布を紹介する仕事を続けるようになりました。
岡崎さんの紹介する布の魅力はアジアの土着文化から生まれた根の深さにあります。学術的な分類や王宮向けの立派な布を集めるよりも、民衆の生活から滲み出てきた布に目を向けています。それぞれの民族が長い年月を経て培ってきた文化。それは自分たちの文化を継承していくためのアイデンティティであり、実用的な生活必需品です。そこには民族の歴史、様式、技術、祈りが込められており、長年の生活の中で使われることで布に宿った思いが感じられるのです。
また岡崎さんの集めた物は、実際に現地に通い何か月も彼らの村に暮らして信頼を得ることで、ようやく手に出来る家族の歴史に培われた布なのです。それゆえに販売方法にも熱がこもります。布の歴史や技術の深い造詣もさることながら、人から人へ受け渡す際に自分の思いを込めて「布伝説」を語り続けるのです。布への慈しみ、それを織った人たちへの敬愛。その思いが心の奥から湧き出てくるのです。
ここ2年近くは残念なことにコロナ禍により現地に赴くことが叶いません。しかし今まで集め続けてきた膨大なストックから、これぞという貴重なものを出品して頂きます。さらに今回は会期中全日を通して岡崎さんが在廊します。ひとつひとつの展示品を岡崎さんの語る「布伝説」を聞きながらお選び頂ければと思います。年末の慌ただしい時期となりますが皆様のご来店をお待ちしております。店主
プロフィール
北海道生まれ
文化服装学院でデザインを学び、アパレルの仕事に就く。その後、東南アジアの旅を経てティモールを中心にした民族布を扱う仕事を始める。現在東京を拠点に、全国各地のギャラリーで「ティモールテキスタイル」を屋号に民族布や古物の展示会を行っている。

by sora_hikari | 2021-12-13 17:11 | 岡崎真奈美展