「芳賀龍一展 ボーダーレス」 8日目-2

芳賀龍一展 ボーダーレス」の8日目-2。

栃木県益子町の芳賀龍一さんの工房の様子です。美大では彫刻科を専攻しましたが、彫刻よりもインスタレーション作品がメインだったそうです。在学中に陶芸の同好サークル(窯工部)に入り、陶芸に出会います。そこにはノウハウを教える専任の講師はおらず同好の士が集まる場で、ほぼ独学に近い形で知識と手法を身に付けました。それゆえにいまだに手探りのまま、基礎的なマニュアルには添わない制作スタイルです。また窯業地の益子であっても益子焼を踏襲するのでもなく、陶芸家として起点の定まらない根無し草のような存在です。

ハイカルチャーよりもサブカル、モードよりもストリートに座す陶芸家と言えましょう。しかしその立ち位置だからこそ、旧来の価値観を揺さぶる力があるように思います。どんな分野であっても保守本流の定まった範囲(人的序列、価値の固着、既得権益、流通のしがらみ等)のせめぎ合いから革新は生まれづらく、既成価値に添わない変異種が時代を更新してきたことは歴史を振り返っても自明のことでしょう。

工房を訪ねると、そこら辺に置かれた土石、岩、砂などが目につきます。今の制作の動機は、このお宝(材料)との出会いが最も刺激的なことで、それを焼くとどうなるかが関心事であり、その体感的な実践こそが芳賀さんの作品を支えています。自己の興味に従って、ためらいなく作れる今がとても輝いているように思います。しかし、陶芸への独自解釈による価値の解体だけではなく、あらためて古典の組み立て直しに関心が向く、この逆流現象が面白いと思います。

桃山陶再興とも違う、ひと時の生活に軸足を置いた工芸ともまた違った新たな動きを芳賀龍一さん周辺の作り手に感じています。焼き物サードウェーブ。これがパラダイムシフトであるのか、あだ花で終わるのか、引き続き見ていきたいと思います。

会期は明日10/17(日)17時で終了させて頂きます。


芳賀龍一展オンラインストア公開中(10/17(日)17時迄)
https://utsuwanoteshop.stores.jp/

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芳賀龍一展 ボーダーレス

2021109日(土)~17日(日)

営業時間 11時~18

最終日は17時迄

ギャラリーうつわノート

埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図


芳賀龍一プロフィール

1984年 福島県会津若松市生まれ

2010年 武蔵野美術大学大学院彫刻コース卒業

2013年 栃木県芳賀郡益子町に築窯

2021年 現在、益子町にて製作


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by sora_hikari | 2021-10-16 17:42 | 芳賀龍一2021

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