「東亨展 素材側から」3日目

東亨展 素材側から」の3日目。

古い金属板を叩いて成形した「てっかり」と呼ばれる作品です。廃材をアッサンブラージュしたアーチストではジョン・チェンバレン(1927-2011)等が知られていますが、それらはジャンク・アートと呼ばれ、当時のネオダダの影響を受けた芸術の価値破壊や、大量生産・大量消費への社会的メッセージが込められていました。この東亨さんの「てっかり」は、そのアート文脈には添わず、古道具坂田的な見立てに近く思えます。しかし東さんご本人としては、その線上にもなく「素材側」から触発された造形物であり、工芸的解釈による「うつわ」の物体化(オブジェ)への試みであるようです。金属の塊でありながら、板状のものを成形しているゆえに、空間を包んだ「殻」のような虚ろさも伴います。「てっかり」とは関西の露天商の間の隠語で「金物」や「灯り」を指す言葉らしいですが、これらをアート然とさせず、むしろ野卑さをもってその存在の軽みを伝えようとするところに、東さんの造形的意識が表われていると思います。

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東亨展 素材側から

2021925日(土)~103日(日) 

営業時間 11時~18時 

最終日は17時迄

ギャラリーうつわノート 

埼玉県川越市小仙波町1-7-6


東 亨(あずま・りょう)プロフィール

1988年 三重県生まれ

2011年 大阪芸術大学 金属工芸コース修了

2011~14年 同大学にて助手

2015年~ 社会福祉法人に勤務

2021年 現在、大阪府堺市在住 近隣の公園や河原でで製作


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by sora_hikari | 2021-09-27 17:28 | 東亨展2021

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