2021年 06月 28日
「片桐功敦展 花と命」開催のお知らせ
7月3日(土)から11日(日)に開催する「片桐功敦展 花と命」のご案内です。
片桐功敦展 花と命
2021年7月3日(土)~11日(日)
11時~18時 会期中無休
いけばなワークショップ 7/4、7/5、7/6、7/11 詳細
花器:森岡成好、森岡由利子、阿曽藍人、東亨、森岡希世子、森田春菜、白石陽一、山田隆太郎、山本雅彦、他および骨董
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
日頃店内では草花を自然の趣のまま器に添えることが多いのですが、華道家・片桐功敦(あつのぶ)の花には別の思いをもっています。美しいものは、その外見だけでなく内面から迫ってくることがあります。ときにその先にあるのは、鋭敏な痛みであったり、美醜のおどろおどろしさであったり、儚くもの悲しくあったり、美の解釈は複雑です。元来、いけばなが確立した室町時代は戦乱の世が続いていた訳で、死が身近であった当時の美への思いは、神への祈りであり、あるいは厭世的な意識だったのかもしれません。芸術とは得てしてそのような究極の状況の表裏に生まれるものでしょう。
片桐功敦の花に感じるのは、この生死の境目にある意識です。24歳にして家元を襲名するも保守的な花の世界に収まらず、祈りを込めたアニミズムに通じる花を提示してきました。2013年に大阪から福島県に移り住み、約1年に渡って放射能汚染地域で花をいけ続けた行為に、彼の花への意味を思うのです。鑑賞するための花ではなく、文明の罪によって捨て去られた町や海や家畜たちを弔うように活けた花。対象は見る人を超えて、万物に手向けるように。消え去った魂を呼び起こすシャーマンとして。
「花と命」というタイトルは仰々しく思うのですが、一方で目に見えぬウィルスの厄災に見舞われる今、片桐功敦が花でどう立ち向かうのか。その現場を目にしたいと思うのです。店主
片桐功敦(かたぎり あつのぶ)
1973年 大阪府生まれ
1988年~ 六年間、米国留学
1997年 花道みささぎ流三代目家元を襲名
2001年 弘川寺(大阪府河南町)にて初個展
2005年 主水書房を開設
2008年 写真集「見送り/言葉」を刊行
2015年 南相馬市にて「SACRIFICE」を開催
2021年 現在、大阪府堺市を拠点に活動
by sora_hikari | 2021-06-28 18:00 | 片桐功敦展