2021年 05月 17日
「山田隆太郎展 MINORI」開催のお知らせ

5月22日(土)から30日(日)まで開催する「山田隆太郎展 MINORI」のご案内です。
山田隆太郎展 MINORI
2021年5月22日(土)~30日(日) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00
作家在廊日 5月22日
うつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6
土という自然素材を用いる陶芸家は、有機栽培の生産者に例えることができます。実りを得るための日々の労働と共に、自然という大きな力に左右されます。その中でどういう選択をするのか。収穫をあげるために効率を優先する方法もあれば、化学肥料や農薬を使わない有機栽培もあります。さらには自然農法のように耕さず、除草せず、肥料を与えず、農薬を使用せずに、本来自然が持っている力を最大限に生かす栽培方法もあります。自然物をどのように捉えて、どう表現するのか。収穫するものは違っても、共通する要素は多いでしょう。さらにそれを扱ううつわ屋は野菜や果物を仕入れて販売する八百屋さんのような立場です。陶芸家が生産者、売り手がうつわ屋。全国からどういう果実を集めてくるか、季節、種類、地域、さらには作る人の姿勢も合わせて提供しています。
さて神奈川県相模原市の山田隆太郎さんの個展も今回で三回目を迎えます。このところ山田さんらしい土味の良いうつわが安定してきたように思います。粉引や鉄釉といった李朝の作風をベースにしながらも、それが日常使いに昇華したうつわを薪窯や灯油窯で焼いています。特に粉引と呼ばれる白化粧土を施した器は、その柔らかで変化のある焼き上がりが山田さんの魅力になっています。素材から引き出す色、質感、造り。器の種類は劇的に変化する訳ではなく、壷、碗、鉢、皿といったアイテムを基調にしていますが、その都度の焼き上がりは異なります。それは野菜や果物を生産するのと同様に、毎年収穫する実りがその年ごとの気候や土壌に左右されて微妙に味が異なるように、作者の意志を包む大きな力が働いているのです。この繰り返しを通して、その年ごとの糧を味わう。これが続けて作家の展示会に通う醍醐味でしょう。さて今回、どのような実りを目にすることができるのか。採れたてのうつわを楽しみにしてご来店ください。 店主
1984年 埼玉県生まれ
2007年 多摩美術大学環境デザイン学科修了
2007年 造形家 樋口健彦氏に師事
2010年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2010年 多治見市にて独立
2014年 神奈川県相模原市(旧・藤野町)に移転
2021年 現在 同地にて作陶

by sora_hikari | 2021-05-17 10:00 | 山田隆太郎展2021