2021年 05月 12日
「橋本知成展 MONOLITH」5日目
「橋本知成展 MONOLITH」の5日目。
橋本さんは陶芸家ですが、作品を見る限りドナルド・ジャッドやリチャード・セラのようなミニマリズムの彫刻の流れに置くことが出来ます。作品を大型化して空間全体を作品とするという方向も重なるように思います。形状に特別な意味を持たせず、抽象化することで物体としての純粋性を表す。あるいは素材をそのまま用い、作者の意図を極力切り離して考える。このような主体と客体を分離する「もの派」にも類する捉え方もあるでしょう。しかしながら、橋本作品の表層に起こる饒舌なテクスチャーはミニマリズムとは異なり、大いに作者の意図が表現されています。それは「焼くこと」で完結する陶芸作品の誇張でもある訳で、作者の主体的な意識が見えてきます。陶芸の場合、その「意識」を「焼く」という行為で客観的出来事に変化させるところが他の分野と異なる点でしょう。橋本作品のシンプルな立体に焼き付けられた酸化金属のドラマを主体(subject)と見るか客体(object)と見るかは受け手に委ねられます。
橋本知成展 MONOLITH
2021年5月8日(土)~16日(日) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00
最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
プロフィール
1990年 和歌山県生まれ
2012年 京都教育大学教育学部卒業
2014年 金沢美術工芸大学大学院修士課程修了
2017年 金沢美術工芸大学大学院博士学位取得
2021年 滋賀県甲賀市にて制作
by sora_hikari | 2021-05-12 12:01 | 橋本知成展