2021年 03月 24日
「阿曽藍人展 Modern Primitive」5日目-2
このような用途を持たない土器をオブジェと見るのか、あるいは現代的なアニミズムの媒体と捉えるかは受け取るかは見る側に委ねられます。縄文土器を見れば分かる通り、本来の美術とは道具と一体化したものであり、工芸的であった訳です。縄文よりも遥かに遡る先史時代の石器にしても、用途だけでは割り切れない審美性が意図されていたことを想えば、本来人類にとって美と機能は表裏一体の関係であったはずです。それが近代になってアートと工芸が分離してしまった。今やアートは身体と切り離されて、頭だけがひとり歩きしているようにも思えます。阿曽さんを始めとする工芸側からアートを捉える昨今の動向は、あらめて人間の本質に立ち返って美の在り方を問うているように思います。こういう意味の分からない物体を解釈するときに、まずは言葉という便宜的な記号で解釈しようとするのではなく、体感的な意識を自分の中に見出せるかが、接し方の第一歩だと思います。うつわから派生した用具と美の境界にある抽象作品は、単にアートとしてのオブジェを示していない。往々にしてこのような視点で取り上げています。
【オンラインストアのご案内】
The online store of the Aso Rando exhibition is being previewed. It is available today from Wednesday, March 24th, 20:00JST to Sunday, March 28th, 17:00JST.


阿曽藍人展 Modern Primitive
2021年3月20日(土)~28日(日) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00
最終日は17:00迄
うつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6
阿曽藍人(ASO RANDO)プロフィール
1983年 奈良県生まれ
2009年 金沢美術工芸大学大学院 陶磁コース修了
2010年 常滑市立陶芸研究所 修了
2021年 現在岐阜県美濃加茂市在住

by sora_hikari | 2021-03-24 18:49 | 阿曽藍人2021