2020年 12月 23日
「伊藤雅風展 茶を奏でる急須」5日目
「伊藤雅風展 茶を奏でる急須」の5日目。
こちらも伊藤雅風さんの黒泥急須ですが、昨日ご紹介したモダンなラインとは異なり、古典的な急須を軸にしています。色味もやや褐色を帯び、胴は筋挽きで仕上げています。注ぎ口と把手を粘土で練り付けたままの手跡感や、すくっと立った姿が凛々しく見えます。ひとつは江戸期の京焼の名工・青木木米の急須、もうひとつは常滑急須を代表する初代山田常山の急須にも見られる形ですが、忠実な倣作を目指していません。例えば木米急須の良さを核にしながらも、茶葉を入れや洗い易さを考えて蓋の径のサイズ大きくしたり、湯面に浸らないように落としフタを深くし過ぎずにないようにしたり、丸い茶漉を付けて茶葉を濾し易くし、注ぎ口のかえしによって水切れを良くしたりなど、細かな調整をすることで、現代の暮らしに合わせています。雅風さんは骨董の急須コレクターでもありますが、単なる懐古趣味ではなく、それを今にどう活かすかが肝心なテーマなのです。伝統とは引き継ぐだけでなく、時代に時代に合わせて更新されていくものだと、雅風さんのこの急須を見て思うのです。








【入店のご案内】
新型コロナウイルスの感染防止対策として、マスクの着用、手指のアルコール消毒、定期的な換気に留意しながら営業致します。また同時に入店者数は8名様迄とさせて頂きます。
【急須実演会】
12/26(土)は、日本茶アドバイザーの藤 香(ふじかおる)さんに、青鶴茶舗の茶葉と雅風さんの急須を使ったお茶の美味しい淹れ方のアドバイスをして頂きます。
伊藤雅風展 茶を奏でる急須
2020年12月19日(土)~27日(日)
営業時間 11:00~18:00
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
伊藤雅風 略歴
1988年 愛知県常滑市に生まれる
2007年 常滑高等学校セラミック科卒業
2009年 村越風月氏に師事
2011年 名古屋造形大学産業工芸コース卒
2012年 独立
2020年 現在愛知県常滑市にて制作
by sora_hikari
| 2020-12-23 19:53
| 伊藤雅風展2020