2020年 11月 11日
「市川陽子展 漆皮」5日目
「市川陽子展 漆皮」の5日目。
市川陽子さんの漆皮(しっぴ)の箱。箱やお盆など実用性のある作品はデビュー当初から手掛けています。
レザークラフトは財布やかばんを作ることが多いですが、それは堅牢さと柔軟性を兼ね備え、かつ経年変化による味わいを増す皮ならではの特性があるからです。
一方、皮革に漆を施す漆皮(しっぴ)の場合は、皮に漆を沁みこませて硬化させます。皮の柔らかさを漆で封印する代わりに、中に入れるもの守る必要のある箱には、理に適った選択と言えるでしょう。さらに特筆すべきは皮と漆が融合した質感です。歴史的には奈良時代に作られ法隆寺に伝来し献納された漆皮箱が国宝に指定されていますが、これも箱の美と機能の必然的結び付きゆえではないでしょうか。
今展に並ぶ、市川さんの漆皮(しっぴ)ならではの箱の魅力を手に取って感じて頂ければと思います。
市川陽子展 漆皮 SHIPPI
2020年11月7日(土)~15日(日)
営業時間 11時~18時
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6
プロフィール
1985年 大阪府生まれ
2009年 京都市立芸術大学美術学部工芸科卒業
2011年 同大学院美術研究科漆工専攻修了
2020年 現在京都市にて制作
by sora_hikari | 2020-11-11 18:19 | 市川陽子展