2020年 10月 26日
「市川陽子展 漆皮」開催のお知らせ
11月7日(土)から15日(日)まで開催する「市川陽子展 漆皮」のご案内です。
京都で漆皮を手掛ける市川陽子さんの展覧会です。一般的に漆器は木を素地に用いますが、その他に焼き物に漆を施す陶胎漆器や麻布に漆を重ねていく乾漆もあります。市川さんの場合、支持体に皮革に選び、それに漆を沁み込ませた作品が特徴的です。現代ではあまり知られない方法ですが、時代を遡れば正倉院や法隆寺の宝物に奈良時代の漆皮箱が奉納されている古来からの技法でもあります。
さて何ゆえに市川さんは漆皮を選ぶのか。大学時代には布に直接漆を沁み込ませて、そのまま布の自在な造形を硬化させて留める作品を制作していました。その意図は、漆を木地の表層としてではなく、漆を漆として表現したい。塗膜としてではなく、漆を生き物のように扱いたいという市川さんなりの液体から固体化する漆(樹木の血液)に対する思いであったようです。その延長上に皮革の選択があるのは、型を用いずに生物の持つ造形の自由さと制約の中で漆を表現し易いからです。決められた形ではなく、皮の性質に添って漆を施していく。それは皮と漆が合体したあらたな生命体のような印象もあります。
今展では、漆皮による自由造形物と共に、実用的な箱、盆、皿、花入れも並びます。未体験ゾーンのSHIPPI。是非この機会に触れてみてください。店主
市川陽子プロフィール
1985年 大阪府生まれ
2009年 京都市立芸術大学美術学部工芸科卒業
2011年 同大学院美術研究科漆工専攻修了
2020年 現在京都市にて制作
市川陽子展 漆皮 SHIPPI
2020年11月7日(土)~15日(日)
営業時間 11時~18時
作家在廊日 11月7日
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6
by sora_hikari | 2020-10-26 09:00 | 市川陽子展