「安永頼山 茶盌展」6日目-2

安永頼山 茶盌展」の6日目-2。

安永頼山さんの黒唐津茶盌2選。他の静かな茶盌に比べて、動きのある姿で窯変強めの焼きが見所です。窯の中で火があたる表側と裏側で異なる表情を片身替わりで楽しめます。唐津という様式に縛られずに、いわば鉄釉の焼き物と思えば、もっと自由に楽しめるのではないでしょうか。日頃温和な頼山さんのもうひとつの顔を見る思いです。

話がそれますが、元々生活寄りの器から見始めた立場からすれば、茶碗には距離を感じていました。時に仰々しく、伝来の様式や見方を踏まえた敷居があり、それを取り巻く市場も閉鎖的に思え、かつ絶対価値(値段)が自分の基準を超えることもままあり、、、。といった逆側の偏見もあり、踏み込みづらさは今もあります。一方で器の造形的な善し悪しの原点を遡っていくと、確かに茶の湯の先人の眼によって培われた歴史を知ることもあり、その美意識の系譜のうえに自分が置かれていることも認めざるを得ない。全てを許容せずとも、全てを否定出来ないというジレンマが暫くあったものです。茶碗を扱うには、それ相応の場があり、人がいることも事実ですが、しかし一方でその限定的な範囲のみで価値評価されなくとも、より自由な解釈もあるのではないか、というのが現状でしょうか。例えば、日常的にはポップスもロックを聴くけれど、時にはオペラもクラッシックも聴く。ジャンルで区切るよりも、いい曲はいいと受け入れる方が素直にものごとを見れるように思うのです。エドシーランがアンドレア・ボチェッリとコラボ(https://youtu.be/eiDiKwbGfIY)する。垣根がない方が楽しい。変に境界を設けているのは自分だけなのかと思いますが、茶碗を扱うとこういう思いにもなるのです。

24)黒唐津茶盌 W11.7  H8.6 cm

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25) 黒唐津茶盌  W10.3 H9.8 cm


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本田麻仙さんによるお茶席は最終のご案内となります。
10/10(土)  ×13:00 〇14:30 △16:00
おひとり様一席 千円
ご希望の日時をメールでお知らせください
utsuwanote@gmail.com
希望日時、お名前、人数、連絡先

安永頼山 茶盌展
2020年10月3日(土)~11日(日)会期中無休
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート 
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

陶歴
1970年 島根県益田市生まれ
2001年 田中佐次郎氏に師事
2003年 藤ノ木土平氏に師事
2008年 登り窯を築窯し独立
2013年 田中佐次郎氏命名の「頼山」に改名
2020年 現在、佐賀県唐津市北波多にて制作

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by sora_hikari | 2020-10-08 18:24 | 安永頼山展

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