「安永頼山 茶盌展」4日目

安永頼山 茶盌展」の4日目。

唐津焼の作家である安永頼山さんの中核にあたる「唐津茶盌」。今展でも一番多い出品数です。写真1番目と2番目は、いわゆる奥高麗と呼ばれる桃山時代の熊川風の高麗茶碗を写した形をしています。頼山さんの暮らす唐津市の北波多は、古唐津発祥の地でもあり、その岸岳の麓の砂岩が風化して粘土状になった土を使っています。高台を見れば唐津焼らしい、さっくりとした土味が伝わるでしょう。

唐津は桃山から江戸初期まで李朝系の流れを汲む茶陶の優品が多く、一.井戸 二.楽 三.唐津(国焼きに限れば、一.楽 二.萩 三.唐津。どちらも三番目というのもミソですが、、。)と武家好みの茶の湯で尊ばれました。当時の茶道具を生産することは、その藩の産業であると共に中央に阿る政治ツールでもあり、その存在は現代では想像できない程の意味合いがあったことでしょう。

頼山さんの唐津茶盌は、枇杷色と呼ばれる赤みのある色合い、灰色がかったもの、残照のごとく赤く燃ゆる肌など、ひと言では括れない幅があります。いずれも誇張を避け、内面から滲みだすような味わいが特徴的でしょう。内省的で叙情ある唐津茶盌。侘び茶に相応しい老成した作行が魅力的です。

11)唐津茶盌 W13.7  H8.6 cm

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13)唐津茶盌 W13.4  H7.6 cm

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12)唐津茶盌 W13.0  H8.5 cm

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15)唐津茶盌 W12.7  H8.8 cm

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安永頼山展のオンライン販売カタログを公開しました。
http://utsuwa-note.com/raizan_catalog







本田麻仙さんによる呈茶席の予約受付中です
10/7(水)  ×13:00 〇14:30 ×16:00
10/10(土)  ×13:00 〇14:30 △16:00
おひとり様一席 千円
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安永頼山 茶盌展
2020年10月3日(土)~11日(日)会期中無休
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート 
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

陶歴
1970年 島根県益田市生まれ
2001年 田中佐次郎氏に師事
2003年 藤ノ木土平氏に師事
2008年 登り窯を築窯し独立
2013年 田中佐次郎氏命名の「頼山」に改名
2020年 現在、佐賀県唐津市北波多にて制作

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by sora_hikari | 2020-10-06 18:00 | 安永頼山展

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