「牧由加里 刳りもの展」のご案内

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8月1日(土)から9日(日)に開催する「牧由加里 刳りもの展 木魂」のご案内です。

岡山県の木工家・牧由加里さん。学生時代は全国選抜に出場する程ソフトテニスに打ち込み、大学では国文学を専攻、卒業後に建築会社を経てデザイン事務所に勤めました。ここで内装設計や施工を通じて次第に自分の考えたものを自らの手で作りたいと思うようになりました。その後、本格的に木工を学ぶために訓練校に入って基礎を身に付け、さらに我谷盆を現代に蘇らせた第一人者である京都の森口信一さんのもとで修業を積みました。独立は3年前の2017年、グループ展や野外展の活動を経て今回いよいよ初個展を迎えます。今の時代にしては遅咲きですが、社会経験を踏んだ上で自覚的に選んだ職ですから、ご本人の強い意思を作品を通して感じて頂けることと思います。

牧さんの作品は工芸と彫刻の間にあります。手による微妙な曲線に拘りながら、ノミやカンナで木を刳っていきます。器の内側から形を整えていく旋盤と違って、刳りものは木の塊から自分のイメージに向かって外側から削り出していく作業です。それは仏師が無垢の木に埋まった仏の姿を見出すような意識に近いかもしれません。樹木に宿る精霊である木魂(こだま)をどう立体化するか。それは作者の目と手によって成されます。器から用途を抜き取り抽象化した木の塊と、その塊の内側を刳り出した殻状のうつわ。表面には砥の粉を混ぜた質感のある漆や拭き漆を施しています。実用よりも造形性を優先させた作品でありながら、どこかしら安心感を覚えるのは、原始的な土器のフォルムに通ずる既視感があるからかもしれません。

今回は木の塊(オブジェ)、木の殻(うつわ)、木の板(皿)など、牧さんの手によって刳り出された木魂が並びます。ギャラリーとして作家の初個展を迎えることは、大変な喜びであると同時に、大きな責任も伴います。暑い季節の開催となりますが、多くの皆様にご覧頂き、賛同をいただけることを願うばかりです。 店主

プロフィール
1981年 岡山県岡山市生まれ
2002年 甲南女子大学卒業
2002年 建築関係の仕事に従事
2013年 仕事をしながら休日に木工を始める
2014年 岡山県北部高等技術訓練校木工科に入校
2015年 木工家森口信一氏(京都)に師事
2017年 独立
2020年 現在、岡山県岡山市にて製作


牧由加里 刳りもの展 木魂(こだま)
2020年8月1日(土)~9日(日) 会期中無休
作家在廊日 8月1日・2日
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図

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by sora_hikari | 2020-07-27 18:00 | 牧由加里展

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