2020年 07月 24日
「渡辺林平・渡邊心平展」7日目
「渡辺林平・渡邊心平展 立役と女形」の7日目。
渡辺林平さんの備前壺7種。
備前にて全地下式の穴窯で焼いている林平さんは独立以来、備前焼きが現在のように定型的に語られる(田土、火襷、牡丹餅、胡麻、棧切等)以前の姿である古備前に取り組んきました。
ここで紹介する備前壺は、備前の山土を使って焼いたものです。焼き上がりは古備前に迫っていますが、細かなところで写しから離れています。例えば、古備前の口作りは玉縁が多いですが、これらは敢えて二重口にしており、単なる写しにならないようにとの配慮です。
備前はねっとりした肌というのが骨董ではよく言われていることですが、ねっとりした田土は肌理が細かいので焼くと表面が硬い感じになります。瓦の感じ、むしろぼそぼそした山土を高温で焼きしめることでねっとりした肌になるというのが、林平さんの備前の考え方です。
形や様式を映すのではなく、須恵器の時代から続く古備前の風合いに倣うとでも言えばいいでしょうか。外形から離れながら、その内面性に近づく。これが林平さんの古備前の捉え方のように思います。







渡辺林平さんの備前壺7種。
備前にて全地下式の穴窯で焼いている林平さんは独立以来、備前焼きが現在のように定型的に語られる(田土、火襷、牡丹餅、胡麻、棧切等)以前の姿である古備前に取り組んきました。
ここで紹介する備前壺は、備前の山土を使って焼いたものです。焼き上がりは古備前に迫っていますが、細かなところで写しから離れています。例えば、古備前の口作りは玉縁が多いですが、これらは敢えて二重口にしており、単なる写しにならないようにとの配慮です。
備前はねっとりした肌というのが骨董ではよく言われていることですが、ねっとりした田土は肌理が細かいので焼くと表面が硬い感じになります。瓦の感じ、むしろぼそぼそした山土を高温で焼きしめることでねっとりした肌になるというのが、林平さんの備前の考え方です。
形や様式を映すのではなく、須恵器の時代から続く古備前の風合いに倣うとでも言えばいいでしょうか。外形から離れながら、その内面性に近づく。これが林平さんの古備前の捉え方のように思います。







渡辺林平(粉引・焼締)・渡邊心平(色絵・染付)展
立役と女形(たちやくとおやま)
2020年7月18日(土)~26日(日)
埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図
渡辺林平プロフィール
1974年 岡山市に生まれる
2001年 備前陶芸センター修了
2002年 備前に全地下式穴窯を築窯
2020年 現在、岡山県備前市にて製作
渡邊心平プロフィール
1982年 愛媛県生まれ
2009年 佐賀県立有田窯業大学校卒業
2013年 陶磁器製造会社勤務
2020年 現在、佐賀県伊万里市にて製作
by sora_hikari | 2020-07-24 09:00 | 渡辺林平・渡邊心平展