2020年 07月 23日
「渡辺林平・渡邊心平展」6日目-2
「渡辺林平・渡邊心平展 立役と女形」の6日目-2。
渡辺林平さんの刷毛目鉢と刷毛目皿。
刷毛目の器に対する林平さんの言葉。
「白い泥を置いて行った時にできる消えてしまいそうな黒い線。白い泥は直接的ですが、黒い線は間接的な線。間接的な線というのを考えてるようになったのは、染め物をしていた時です。自分で刷毛目をする時には、この間接的な線のことを思います。そして間接的な表現というのは、すごく工芸的なことだと思っています。」
白い泥状の粘土をずぶ掛けしたり、柄杓掛けする粉引に比べて、刷毛によって胎土に白い土を施す「刷毛目」はどうしても作者の意識が加わりがちです。それゆえに既成の刷毛と比べて意識がコントロールしづらい藁や枝を束ねて刷毛にしたり、大量に勢いのまま刷毛塗りをすることで、自分自身の意識を抜く工夫する作者もいます。
林平さんの場合、刷毛目で意識を向けるのは、化粧土を施した白の部分だけでなく、その隙間に生れる意図せぬ下地の線であるのです。例えばイギリスのスリップウェアは、スリップされた「図」の部分(化粧土がのった模様)と、その間に出る「地」の部分(化粧土と化粧土の間の下地)で模様が成立している訳ですが、その下地にあたる意図せぬ「地」にこそ美しさを見るというのが林平さんの考えです。
渡辺林平さんの刷毛目鉢と刷毛目皿。
刷毛目の器に対する林平さんの言葉。
「白い泥を置いて行った時にできる消えてしまいそうな黒い線。白い泥は直接的ですが、黒い線は間接的な線。間接的な線というのを考えてるようになったのは、染め物をしていた時です。自分で刷毛目をする時には、この間接的な線のことを思います。そして間接的な表現というのは、すごく工芸的なことだと思っています。」
白い泥状の粘土をずぶ掛けしたり、柄杓掛けする粉引に比べて、刷毛によって胎土に白い土を施す「刷毛目」はどうしても作者の意識が加わりがちです。それゆえに既成の刷毛と比べて意識がコントロールしづらい藁や枝を束ねて刷毛にしたり、大量に勢いのまま刷毛塗りをすることで、自分自身の意識を抜く工夫する作者もいます。
林平さんの場合、刷毛目で意識を向けるのは、化粧土を施した白の部分だけでなく、その隙間に生れる意図せぬ下地の線であるのです。例えばイギリスのスリップウェアは、スリップされた「図」の部分(化粧土がのった模様)と、その間に出る「地」の部分(化粧土と化粧土の間の下地)で模様が成立している訳ですが、その下地にあたる意図せぬ「地」にこそ美しさを見るというのが林平さんの考えです。
渡辺林平(粉引・焼締)・渡邊心平(色絵・染付)展
立役と女形(たちやくとおやま)
2020年7月18日(土)~26日(日)
埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図
渡辺林平プロフィール
1974年 岡山市に生まれる
2001年 備前陶芸センター修了
2002年 備前に全地下式穴窯を築窯
2020年 現在、岡山県備前市にて製作
渡邊心平プロフィール
1982年 愛媛県生まれ
2009年 佐賀県立有田窯業大学校卒業
2013年 陶磁器製造会社勤務
2020年 現在、佐賀県伊万里市にて製作
by sora_hikari | 2020-07-23 14:24 | 渡辺林平・渡邊心平展