2020年 06月 15日
「谷口 嘉 硝子展 凪の光」開催のお知らせ

6月20日(土)から28日(日)に開催する「谷口 嘉 硝子展 凪の光」のご案内です。
ガラスの美しさは光との相関性で成り立っている訳で、熱による成形で得られる物理的な結果は、作る側の造形が先立つか、あるいは反射する光の見え方がそれを上回るか、どちらかに分かれるでしょう。
谷口嘉さんの場合は、後者のガラス素材の持つ特性に添った客観性を保つことに意識が向いているようです。ガラスに対して常に受動的態度でいる点が特長です。コンクリートで作った型にガラスを吹き込んで成形する「型吹き」という方法は、本来量産品を作る際に使われますが、谷口さんは一品づつ作る過程で生まれる微妙な揺らぎを活かすために、その技法を採用しています。それによって理化学機器の冷静さと昭和レトロな板ガラスの不安定さを併せ持つ独特の存在となるのです。
いわば個人の動的な表現を抑制して、素材と一定の距離感を保つための手法に思えます。その結果生まれるガラスは、まるで凪いだ海のような静けさです。風が止まり海面に反射する光。そこには音がない。谷口さんのガラスは斯様に時間が静止した印象があるのです。ガラスの物理的特性を過剰に変化させず、脆くて壊れ易いがゆえに備わる儚さを受け入れ、その繊細な美しさを素直に引き出そうとしています。
使う側に歩み寄るだけではなく、実用との境界にあるガラスの美の極を捉えようとしています。今展では、プレート、グラス、鉢、ピッチャー、花瓶が並びます。どうぞこの機会に凪の光が美しい谷口さんのガラスに触れてみて下さい。
尚、今回もご入店の際はマスクの着用及び手の消毒のご協力お願い致します。混雑状況により入店人数を制限する場合があります。あらかじめご了承下さい。
店主
谷口 嘉 (たにぐち・よしみ)略歴
1978年 神奈川県生まれ
2001年 多摩美術大学デザイン科ガラスコース卒業
2001年 あづみ野ガラス工房勤務(〜06)
2006年 多摩美術大学工芸学科ガラス研究室助手(〜12)
2005年~グループ展、個展にて活動
2020年 現在、神奈川県川崎市にて制作
谷口 嘉 硝子展 凪の光 Calm of light
2020年6月20日(土)~ 28日(日)
営業時間 11時~18時
作家在廊日 6月20日
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
by sora_hikari | 2020-06-15 18:00 | 谷口嘉展2020