2020年 05月 27日
「太田修嗣展 漆の聲 木の息吹」5日目-1(根来鉢)
「太田修嗣展 漆の聲 木の息吹」は本日5月23日~31日までオンライン上(ブログ、Facebook、インスタグラム)で販売会を開催中です。
洗朱根来鉢と根来鉢3種をご紹介します。古い捏鉢(こねばち=うどん粉等を捏ねる鉢)の形状に倣ったものですが、大きさは7寸程(径20cm)で実用的な盛り鉢サイズで作られています。
一般的な漆器は整然としたものが多く、上塗りも塵ひとつなく極めていく方向にあるように思います。あるいは個性を生むために飾り(蒔絵、沈金、螺鈿等)を施す雅なアプローチもあるでしょう。これは漆が類まれな上質なテクスチャーを持ち得ているゆえに、作り手が挑むべく課題として素材を捉えているように思えます。
太田さんの場合、これらの漆器の在り方と、ベクトルが異なるように思うのです。木地はコンパスで引いたような正円を求めず、手描きのような木の乾燥による歪みを良しとする。また塗りも根来のように塗り斑(むら)や刷毛目の跡を厭わない。むしろそこに素材の自然性を許容して取り入れる。
これは整った磁器に対して、不定形なろくろの陶器との対比に例えられるかもしれません。考えてみれば、衣服だって化繊よりもリネンやコットンの自然な肌合いを好んだり、いまだ活版印刷の風合いに魅せれる方がいるように、漆器にもさまざまな求め方があると思うのです。これはお互いの否定的比較ではなく、あくまで多様性を認識したいということです。
太田さんの漆器は「人間臭さ」が宿っている。抽象的かつ時代掛かった言葉ですが、その人情味がなんともいいなと思っています。










今展の全作品カタログはこちらからご覧いただけます。
http://utsuwa-note.com/otashuji_worklist
ご購入について
ご希望の作品がございましたらメールにてご注文ください。
utsuwanote@gmail.com宛に「太田漆器」を表題にしてご連絡ください。
・ご希望の作品名・品番
・お名前、ご住所、お電話番号、PCメールを受信できるメールアドレス
・詳細なオーダー手順は作品リストに掲載しています。
洗朱根来鉢と根来鉢3種をご紹介します。古い捏鉢(こねばち=うどん粉等を捏ねる鉢)の形状に倣ったものですが、大きさは7寸程(径20cm)で実用的な盛り鉢サイズで作られています。
一般的な漆器は整然としたものが多く、上塗りも塵ひとつなく極めていく方向にあるように思います。あるいは個性を生むために飾り(蒔絵、沈金、螺鈿等)を施す雅なアプローチもあるでしょう。これは漆が類まれな上質なテクスチャーを持ち得ているゆえに、作り手が挑むべく課題として素材を捉えているように思えます。
太田さんの場合、これらの漆器の在り方と、ベクトルが異なるように思うのです。木地はコンパスで引いたような正円を求めず、手描きのような木の乾燥による歪みを良しとする。また塗りも根来のように塗り斑(むら)や刷毛目の跡を厭わない。むしろそこに素材の自然性を許容して取り入れる。
これは整った磁器に対して、不定形なろくろの陶器との対比に例えられるかもしれません。考えてみれば、衣服だって化繊よりもリネンやコットンの自然な肌合いを好んだり、いまだ活版印刷の風合いに魅せれる方がいるように、漆器にもさまざまな求め方があると思うのです。これはお互いの否定的比較ではなく、あくまで多様性を認識したいということです。
太田さんの漆器は「人間臭さ」が宿っている。抽象的かつ時代掛かった言葉ですが、その人情味がなんともいいなと思っています。










今展の全作品カタログはこちらからご覧いただけます。
http://utsuwa-note.com/otashuji_worklist
ご購入について
ご希望の作品がございましたらメールにてご注文ください。
utsuwanote@gmail.com宛に「太田漆器」を表題にしてご連絡ください。
・ご希望の作品名・品番
・お名前、ご住所、お電話番号、PCメールを受信できるメールアドレス
・詳細なオーダー手順は作品リストに掲載しています。
太田修嗣展 漆の聲 木の息吹
2020年5月23日(土)~31日(日)
ギャラリーうつわノート
オンライン販売会
プロフィール
1949年 愛媛県松山市生まれ
1981年 鎌倉・呂修庵にて塗師の仕事を始める
1983年 村井養作氏に師事 蒔絵および変り塗りを学ぶ
1987年 神奈川県厚木市にて独立
ろくろ・指物・刳物 一貫制作による木漆工房を開く
1994年 愛媛県広田村(現・砥部町)に移転
2020年 現在 同地にて制作
by sora_hikari | 2020-05-27 10:00 | 太田修嗣展2020