「太田修嗣展 漆の聲 木の息吹」オンライン販売会のお知らせ

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5月23日から31日の「太田修嗣展 漆の聲 木の息吹」は、埼玉県のコロナ禍による緊急事態宣言が未だ解除されない為(5/19時点)、実店舗での展示会を取りやめ、オンラインのみで販売させて頂きます。今後ブログ、Facebook、インスタグラムにて作品をご紹介致します。DMをお届けしました皆様には度々の変更となりお詫び申し上げます。

愛媛県砥部町の漆器作家・太田修嗣さんは1949年生れ。独立当初は工芸需要が高かった頃(1980年~90年代)で、当時は強い造形が求められる時代でしたから、世代的にもっと自己顕示の強い表現が先立ってもおかしくないのですが、太田さんの作る漆器は日々の暮らしと調和的な静かさが共存しており、強さと洗練の間で均衡している点が不思議なのです。

それは太田さんが素材に対して敬愛を持ち、木に添って我を一歩外に置き、素材に耳を傾けてきたからではないでしょうか。漆の聲(こえ)を聞き、木の息吹を生かす。この自然素材に対する態度が太田さんの漆器に通底しているように思います。

料理にしても陶芸にしても、素材の力を殺して表現が上回ってしまうと本質を見失います。料理人や陶芸家が材料にこだわるのと同じように、木へ強い思いをもつ太田さん。一木より刳り出し、はつった痕。粗めの鑿(のみ)跡を残す椀や盆は、漆に覆われていながらも、いまだ木の息吹を感じます。漆器産地のように分業制ではなく、自ら木を選び、木地づくりから上塗りまで一貫して一人で作っていることも大きいでしょう。

工芸は作る人と使う人の二者間だけでは成立しません。それを繋ぐ自然の恵みがあって、感謝に等しい祈りがある。この第三の目があるからこそ、敬虔な器が生まれるように思うのです。今展では椀、鉢、皿、盆、箸など、太田さんおひとりで一から十まで仕上げた漆器をオンライン上でご紹介します。どうぞご高覧ください。店主

プロフィール
1949年  愛媛県松山市生まれ
1981年  鎌倉・呂修庵にて塗師の仕事を始める
1983年  村井養作氏に師事 蒔絵および変り塗りを学ぶ
1987年  神奈川県厚木市にて独立
     ろくろ・指物・刳物 一貫制作による木漆工房を開く
1994年  愛媛県広田村(現・砥部町)に移転
2020年 現在 同地にて制作


太田修嗣展 漆の聲 木の息吹
2020年5月23日(土)~31日(日)
ギャラリーうつわノート
オンライン販売会

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by sora_hikari | 2020-05-19 10:00 | 太田修嗣展2020

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