「田中敬史展 焼〆の現代美学」ありがとうございました

田中敬史展 焼〆の現代美学」は本日終了しました。コロナ禍の影響によりオンラインのみの販売会にも関わらず多くのご支持を頂き誠にありがとうございました。

写真は滋賀県日野町上駒月に暮らす田中敬史さんの窯場です。窯は直煙式の穴窯で間仕切りはなく4箇所のセクションに分かれています。炎が前の焚き口から煙突に向かってまっすぐに走るため、セクションごとに焼き色が異なります。前から順を追って、横からも薪を焚べて温度を上げていきます。火前は灰が被り易く、焼〆の面白さが出ます。焼成は炙り捨て焚き2日間含め、7日間掛けています。

陶芸との出会いは大学時代のゼミでした。その頃に京都書院が出版した「陶」シリーズの森岡成好さんの号を見て感銘し、製陶所で職人を経験したのちに弟子入りしました。この修業が大きく田中さんの作る焼き物に影響しています。実際に弟子として学べば学ぶほど、自由に土の特性を生かしていける南蛮焼締に魅せれていき、今も尚、その思いは途絶えません。

生活工芸全盛期(2000~2010頃)に白い器ばかりが流行った頃があり、それは焼〆にとって不遇の時代でした。人々のライフスタイルが変わり、重厚に見える焼〆よりも軽やかな生活食器の方に関心が流れたことが原因です。しかし今はまた器の需要は多様化し、新たな「焼き物」への関心も高まっています。焼き物を取り巻くプレイヤー(作る人、取り次ぐ人、使う人)も、従来の焼〆愛好家と違った変化が起こっています。

今回ご注文下さったお客様が「水に浸すと清流にいる岩魚やヤマメのような肌に見えました。自然を切り取った焼き物ですね。」との感想を下さいました。まさに土のみを焼いて生み出される焼〆は、自然そのものを宿した器です。それは器に限らず、食も衣服も暮らし方も含めて人々の自然回帰の意識とも重なっていると思います。

焼〆は使えば使うほど味わい深く育ち、毎日毎日使い洗うを繰り返すことで艶が出てきます。また空気を通すので花を生けると長持ちします。使う方の等身大の暮らしに合うように育ち馴染んでいく焼〆。田中敬史さんの器をはじめ、あらためて現代の暮らしの中で焼〆の良さを知って頂ければと思います。

今回お買上げ頂きました皆様のお暮しと共に、末永くご愛用頂けますことを心より願っております。この度はありがとうございました。これからも田中敬史さんの活躍にもご注目下さい。

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by sora_hikari | 2020-05-17 18:00 | 田中敬史展

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