「山本亮平・ゆき展 古典のミニマリズム」8日目

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山本亮平・ゆき展 古典のミニマリズム」は会期を繰り上げ3/28本日で終了します。

染付茶杯。この掠れ具合が気持ちを揺すります。

さて今回、古典の抽象化をテーマにしていますが、その抽象化とは何なのか?

古典を参照しながら演出的に強調するのではなく、むしろ簡略化、あるいは曖昧さをもって意味を消していく。しかし、それは引き算とはまた違った意識だと山本さんは言います。ここが興味深いのです。

例えば初期伊万里の見所(絵柄や質感)だけに着目するのではなく、何もないところをどう見るか、どう意味を感じるか。ここぞという所を如何に抜き出せるか、という目線とのこと。

絵が消える、濁る、形が歪む、その結果として生れる感情。そこを狙うということでしょうか。つまり意図を消していくことは、翻って考えれば恣意的な編集に近いかのかもしれません。しかしそれを引き起こす為に、土造り、成形、釉掛け、焼成と、とてもアナログな過程(馬鹿馬鹿しいほど)を経て、ようやく意図した偶発が起こる。曖昧さは意図されているというパラドックスでもある訳です。

卑近な例ではありますが、ベタな泣ける映画より、淡々と描きながらじわっと泣かす映画の方が脚本の技術が高いように思います。語るずして語ることによって、受け手側の解釈に委ねる割合が大きくなり、心の奥に届く深度は増すのではないでしょうか。演出的な古典と抑制的な古典の対比。どちらに比重をおくかは、作り手と受け手、それぞれの感受性の違いになると思います。


山本亮平・ゆき展 古典のミニマリズム
3月28日(土)で終了します。
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図
「山本亮平・ゆき展 古典のミニマリズム」8日目_d0087761_2241231.jpg「山本亮平・ゆき展 古典のミニマリズム」8日目_d0087761_2242328.jpg

山本亮平
1972年 東京都生まれ
1998年 多摩美術大学油絵科卒業
2000年 佐賀有田窯業大学短期修了
2020年 佐賀県有田町にて制作

山本ゆき
1978年 長崎県生まれ
2000年 佐賀有田窯業大学短期修了
2020年 佐賀県有田町にて制作


by sora_hikari | 2020-03-28 15:38 | 山本亮平・ゆき2020

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