2020年 03月 24日
「山本亮平・ゆき展 古典のミニマリズム」4日目-2

「山本亮平・ゆき展 古典のミニマリズム」を開催中です。
隙間なく描かれた芙蓉手が正攻法の装飾だとすれば、山本さんの儚く消え入るような染付もまた逆説的な装飾表現と言えるでしょう。具体的な対象物から意味を抜き去り、隠喩的な修辞技法によって深い心情を湧き起こさせる。このような負の方向に感情移入するのは、とても日本的な美意識だと思います。和歌に見られる自然の捉え方、寂しさ、枯れ、揺らぎ、不完全性など、直接的に語らぬゆえに、情景を思い起こさせ、余情を残します。
近づかないと気づかないほど絵柄のこの染付壷もまた、山本さんのレトリックによって感情をくすぐられるのです。
山本亮平・ゆき展 古典のミニマリズム
2020年3月21日(土)~29日(日) 会期中無休
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図
山本亮平
1972年 東京都生まれ
1998年 多摩美術大学油絵科卒業
2000年 佐賀有田窯業大学短期修了
2020年 佐賀県有田町にて制作
山本ゆき
1978年 長崎県生まれ
2000年 佐賀有田窯業大学短期修了
2020年 佐賀県有田町にて制作
by sora_hikari | 2020-03-24 19:33 | 山本亮平・ゆき2020