2020年 01月 04日 「東 亨 展 ペルーへの手紙」開催のご案内

1月11日（土）から19日（日）に開催する「東 亨 展　ペルーへの手紙」のご案内です。

大阪府堺市の金属造形作家・東亨（あずま・りょう）さんの第二回目の個展です。前回は自ら「てっかり」と呼ぶ錆びたブリキ板を叩いたオブジェを展示しましたが、今回は一転してペルーの文化に触発された作品が登場します。古代ペルーは太陽を崇拝し高度な黄金製品を生み出した地域ですが、今展はインカの一歩手前、紀元前から1470年頃までのプレ・インカ時代にあたるモチェ文化やチムー文化に触発された造形作品が並びます。

東さんの興味は古代ペルーの民俗工芸への関心というよりも、チムー文化の金属造形物に見られる動物や鳥をモチーフにした戯画的な「はりぼて感」のある金属の異種感覚に魅せられているところが大きいのです。造形イメージは全く異なるものの金属という素材側から導かれる「てっかり」と同様に、作る側と加工される素材の主客が逆転したアフォーダンス（環境が人に対して提供する「意味」）の意識が、両者の造形に共通しているのです。

今展に向けた東さんの言葉によれば「チムーやモチェの工芸を眺める手触りはまるで「かるた」の様であり、それ写すのではなく「てっかり」と同様に金属を解き叩いていくことで形を成すのです。金属という素材から手紙を頂いてペルーに手紙を書くような作業でした。」との事であり、具象的造形を表しながら、素材側から捉えた客観性に立脚した「物体」と捉えることが出来るでしょう。

さて、2020年最初の展覧会です。概念的に作品の意味を問う、そんな謎解きも楽しめる内容になりそうです。店主

プロフィール
1988年　　 三重県生まれ
2011年　　 大阪芸術大学金属工芸コース修了
2011~14年 同大学にて助手
2015年~　 社会福祉法人に勤務
2020年　　 現在、大阪府堺市在住

東 亨 展　ペルーへの手紙
2020年1月11日（土）～19日（日）
営業時間 11時～18時　
作家在廊日 1月11日
ギャラリーうつわノート　埼玉県川越市小仙波町1-7-6　地図