「森岡成好展 南の島土」8日目

森岡成好展 南の島土」の8日目。

今回の窯焚き風景です。10日間に及ぶ時間をかけ、30トンもの薪を使います。10メートルの蛇窯(じゃがま、あるいは鉄砲窯)と呼ばれる単室の窖窯(あながま) です。掘ってきた土を成形して、焼く。いたってシンプルな工程ですが、原土探し、土の精製、膨大な成形、薪の準備、そして長時間の焼成。そして最終的にどう狙って焼くか。圧倒的な火力と熱量によって焼き抜かれますが、意図が無ければ単調な焼きにしかなりません。それは地道な労働の積み重ねによる経験値と、それを支えるポジティブな精神力の成せる業でしょう。

人工的に加工された材料ではなく、自然素材からうま味を活かす料理と同様に、生きた土からその良さを引き出すのが焼き締めの醍醐味でしょう。今は電話一本で全国各地から材料が取り寄せれる時代ですが、あく抜きされた材料には限界があります。トッピングに凝るより、もっと芯にある味を求める。焼き物は土から始まる。森岡さんの仕事は、地質への関心が根幹にあり、それをどう活かすかが肝心です。今回は「南の島土」への探求。皆様にこの味の深さは届いているでしょうか。

会期は明日12月15日17時まで。どうぞお見逃しなく。

「森岡成好展 南の島土」8日目_d0087761_13404466.jpg


「森岡成好展 南の島土」8日目_d0087761_13405292.jpg


「森岡成好展 南の島土」8日目_d0087761_13405994.jpg


「森岡成好展 南の島土」8日目_d0087761_1341617.jpg


「森岡成好展 南の島土」8日目_d0087761_13411246.jpg


「森岡成好展 南の島土」8日目_d0087761_13411992.jpg

※写真は森岡さんのホームページより転載

森岡成好展 南の島土
The Clay of South Sea Islands
2019年12月7日(土)-15(日)会期中無休
最終日は17時まで
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図
略歴
1948年 奈良県生まれ
1973年 和歌山県天野に築窯
2010年 石垣島に築窯
2019年 現在、和歌山県かつらぎ町にて制作

「森岡成好展 南の島土」8日目_d0087761_1247811.jpg「森岡成好展 南の島土」8日目_d0087761_12553143.jpg



by sora_hikari | 2019-12-14 17:44 | 森岡成好展2019

<< 「森岡成好展 南の島土」8日目 「森岡成好展 南の島土」7日目-2 >>