2019年 11月 30日
「タナカシゲオ展 明日香の里から」8日目-2
「タナカシゲオ展 明日香の里から」はあと1日。明日12月1日17時で終了しますが、まだまだ見応え十分です。
写真はタナカさんの暮らす奈良県明日香村のご自宅と窯場の様子です。150坪の敷地に母屋、蔵などが建ち、そこを住居・工房・展示室に分けて使っています。建物は築280年と言いますから江戸中期頃、徳川8代将軍吉宗の時代です。村の歴史はもっと古く飛鳥時代の史跡が残る奥明日香の集落にある一軒です。
元々は京都生まれですから、この地は自ら選んで2007年に移住した土地です。陶芸を志す起点には李朝や桃山の骨董があったそうですから、暮らし方そのものを遡行して当時の器に近づく思いが根底にあるのでしょう。本来、古い器が作られた時点では、その時代なりの合理性があり無理がなかったはずです。それを再現する為に恣意的に演出する方法もあれば、そこに立ち返って作為を除こうとする方法もあるでしょう。タナカさんの器に魅力を感じるには、外形だけでなく、この点に共感できるかが肝ではないでしょうか。
いまだ炊事場は竈(かまど)が現役です。ご飯を炊く火の番はタナカさんがやることが多いそうです。竈焚きをするわりに、ごはんの焦げがあまり好きでないらしく、そのために薪ではなく藁(わら)を燃やして丁寧に炊くそうです。そうすると薪の直火に比べ、藁(わら)の火は、ゆらゆらと鍋の底を巻き込むように回り、とてもふっくらした美味しいごはんが炊けるそうです。ごくり。焼き物造りとは直接関係しないにしても、日頃の生活の関わり方が仕事とも繋がっているのだろうと、妙に説得力を感じたのでした。








写真はタナカさんの暮らす奈良県明日香村のご自宅と窯場の様子です。150坪の敷地に母屋、蔵などが建ち、そこを住居・工房・展示室に分けて使っています。建物は築280年と言いますから江戸中期頃、徳川8代将軍吉宗の時代です。村の歴史はもっと古く飛鳥時代の史跡が残る奥明日香の集落にある一軒です。
元々は京都生まれですから、この地は自ら選んで2007年に移住した土地です。陶芸を志す起点には李朝や桃山の骨董があったそうですから、暮らし方そのものを遡行して当時の器に近づく思いが根底にあるのでしょう。本来、古い器が作られた時点では、その時代なりの合理性があり無理がなかったはずです。それを再現する為に恣意的に演出する方法もあれば、そこに立ち返って作為を除こうとする方法もあるでしょう。タナカさんの器に魅力を感じるには、外形だけでなく、この点に共感できるかが肝ではないでしょうか。
いまだ炊事場は竈(かまど)が現役です。ご飯を炊く火の番はタナカさんがやることが多いそうです。竈焚きをするわりに、ごはんの焦げがあまり好きでないらしく、そのために薪ではなく藁(わら)を燃やして丁寧に炊くそうです。そうすると薪の直火に比べ、藁(わら)の火は、ゆらゆらと鍋の底を巻き込むように回り、とてもふっくらした美味しいごはんが炊けるそうです。ごくり。焼き物造りとは直接関係しないにしても、日頃の生活の関わり方が仕事とも繋がっているのだろうと、妙に説得力を感じたのでした。








タナカシゲオ展 明日香の里から
2019年11月23日(土)~12月1日(日)
営業時間 11時―18時
最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図
略歴
1963年 京都 生まれ
2003年 京都 川口美術にて初個展
2007年 奈良県明日香村の古民家に移住
2011年 穴窯を築窯
2016年 倒炎式薪窯を築窯
2019年 現在、奈良県明日香村にて製作
by sora_hikari | 2019-11-30 18:24 | タナカシゲオ展