「田村文宏展  古瀬戸」開催のご案内

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9月28日(土)から10月6日(日)まで開催する「田村文宏展  古瀬戸」のご案内です。

愛知県岡崎市の田村文宏さん。2011年、2013年、2015年以来久しぶりの個展です。過去三回の展示会では東南アジアの古陶瓷をテーマに開催してきましたが、今回は「古瀬戸(こせと)」を主に据えた新たな取り組みをご覧頂けます。

日本六古窯の中でも瀬戸は施釉陶器をいち早く生産した伝統ある窯業地です。愛知県猿投窯の延長上にあり、中国南宋から伝わった技術によって施釉陶器を作り、鎌倉時代から室町末期まで、中世の焼き物をリードする中核の地でした。外形的な特徴的なのは、緑色を帯びた灰釉と茶褐色の鉄釉を施し、四耳壷・瓶子・片口・小皿にはじまり、香炉・水注のほか仏器も作られました。器面には、印花文や画花文などの装飾がみられます。民具中心の窯業地に比べ、古瀬戸は武士階級を中心とした上流社会に庇護され、特権的な立ち位置にあった事が、当時の器種を生み出しました。

田村さんがこれに取り組むのは、生まれ育った地域に近いこと、瀬戸の窯業学校出身であること、東南アジアの焼き物との類似性(灰釉・鉄釉、中国陶磁の影響)、さらには近隣の古窯跡の調査や瀬戸の原料の使用など、陶芸家として独立当初から「古瀬戸」は必然であり、まさに今回、満を持しての発表となる訳です。当時の武家社会と繋がる峻厳とした様式美、歴史を経て「せともの」として認識するに至った食器の奥行の深さなど、今展を通して目にして頂ければと願っております。店主

プロフィール
1978年 愛知県岡崎市生まれ
2000年 東南アジア・インドへ遊学     
2004年 瀬戸窯業高等学校陶芸専攻科卒業
2005年と06年 ホンジュラス共和国にて窯業サポート
2010年と12年と14年 カンボジアにて窯造りの手伝い
2019年 現在、愛知県岡崎市で制作


田村文宏展  古瀬戸
2019年9月28日(土)~10月6日(日) 
営業時間11時~18時 
作家在廊日 9月28日(土)
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図

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by sora_hikari | 2019-09-23 10:00 | 田村文宏展2019

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