「芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」8日目-2

芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」の8日目終了。会期は明日7/14までとなりました。最終日は17時で終了させて頂きます。

写真は益子町の芳賀さんの工房の様子です。ミラーボール+爆音装置付きの穴窯に目を引かれます。窯焚きしながら、どんな夜が繰り広げられているのでしょうか。

ご出身は福島県会津若松市、大学はムサビ(美大)に進みました。最終専攻は彫刻科ですが、陶芸に目覚めたのは大学の陶芸サークル、窯工部です。専任指導者のいないサークルですが、芳賀さん世代には意識の高い人が多く、先達の安達健さん、同世代の中田光さん、小泉敦信さんなど現在も陶芸家として活動している仲間がいます。

芳賀さんは学生時代より博物館や茶陶系ギャラリーに通い、いわゆる正統派焼き物に関心を持ちました。時代的に起点が、当時全盛であった生活工芸系にないところが興味深く思います。美大とは言え、同好のサークルゆえに順序だった陶芸を学ぶ場ではなかった訳ですが、先輩たちの仕事を見ながら、また陶芸技術書で学びながら手探りで実践・検証して積み重ねた経験が芳賀さんの基礎になっています。

現在の造形を見て、彫刻科出身と結びつくのですが、さにあらず、学生時代は、彫塑や彫刻は自主作品としては作らず、特定の素材に寄らないインスタレーションを主にしていたと言います。ゆえに、現在の作品は彫刻よりも、器としてアプローチする意識が先にあるそうです。確かにオブジェのような作品も、虚空を包むようにうつわ的造形から成り立っていることが分かります。

芳賀さんの焼き物を見ていると、伝統的な焼き物の様式を微に細に穿つよりも、一度フォーカスを振り切ったうえで、ピント合わせしていく感じがします。この振り幅が芳賀さんの視点の広さであり、焦点を引き寄せて行く過程に、改めて焼き物の良さを気づかせるのです。

自ら掘った材料は往々にして不安定ですが、芳賀さんの器を手にすると、きっちりと素材の特性を掴み、そこに合わせてしっかり焼き抜いている事が伝わってきます。素材に対する感覚の良さ、ここも芳賀さんのポイントだと思います。

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芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ
Ryuichi Haga Third Wave of Yakimono
2019年7月6日(土)~14日(日)会期中無休
営業時間 11時~最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート 
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

芳賀龍一プロフィール
1984年 福島県会津若松市生まれ
2010年 武蔵野美術大学大学院彫刻コース卒業
2013年 栃木県芳賀郡益子町に築窯
2019年 現在、益子町にて製作

「芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」8日目-2_d0087761_16421851.jpg「芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」8日目-2_d0087761_16422913.jpg


by sora_hikari | 2019-07-13 19:17 | 芳賀龍一展

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