2019年 06月 30日
「梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」ありがとうございました
「梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」は本日終了しました。雨の多い会期にも関わらず、ご来店頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。
昭和に興った日本の焼き物(桃山再興)ブームは、途絶えていた伝統の技法を手探りで見出し、あらためて独自文化の意識を高めることに繋がったでしょう。それはやがて大きなうねりとなり、経済価値を生み、あるいは権威づけられ、技法も確立されました。これが無ければ、日本の陶芸は芸術運動として位置づけられていなかったかもしれません。しかし、時が経てばやがて形骸化する価値や技法もあるはずです。
梶原靖元さんや谷穹さんは、その形式化された材料や方法に疑念をもつことから始まりました。それは様式化された現代の焼き物と、参照元となる昔の器との質的な違いを実感したからです。これは決して古典の否定ではなく、前向きな肯定なのだと思います。素直に本質的な良さを取り戻したいのだと。そのためには一旦セオリーから離れて、材料や方法論から見直し、実践的に検証すること。これがお二人の尊い成果だと思います。
「古典再考」と大上段な構えに反発を抱く方もいるかもしれません。しかしどこかで掛け違ったボタンを一度はずして、愚直に取り組み直すことで、あらためて古典の良さに気づく事もあるのではないでしょうか。今展でお二人の活動を通して、わずかでも日本の焼き物の美しさを受け止めてくださる方が増えることを願って止みません。
この度はありがとうございました。
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うつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)
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営業カレンダー
by sora_hikari | 2019-06-30 19:27 | 梶原靖元・谷穹 展