「梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」6日目

梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」の6日目。

谷穹さんの蹲。人がうずくまるような姿を喩えて「うずくまる」と呼ばれる小壺。なで肩の丸いラインで、口は二重口、肩には桧垣文が施されているものが定番で古信楽を代表するアイテムです。

元々は種壺や油壺を茶人が見立てて花入れに転用したと言われます。唐津で言えば、斑のぐい呑や奥高麗茶碗のように、骨董愛好家を魅了するアイテムが伝統の窯業地にはあるものです。いずれも茶の湯の世界で価値を見出された点も興味深く思います。

谷さんの「蹲」は形状的セオリーを踏まえながら、焼成における解釈が彼の思いを表しているでしょう。器肌は艶なくかせており、信楽らしい白色と茶褐色で長石粒を含み、手描きのような歪な輪郭です。枯れた巧さ。「蹲」が用具を超えて侘び数寄に好まれた閑寂の姿を捉えているでしょう。

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梶原靖元・谷穹二人展 古典再考
2019年6月22日(土)-30日(日) 会期中無休 
営業時間 11時-18時  
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図

梶原靖元プロフィール
1962年 佐賀県伊万里市生まれ
1980年 唐津焼太閤三ノ丸窯に弟子入り
1986年 京都 平安陶苑にてクラフトを習う
1989年 大丸北峰氏に師事して煎茶道具を習う
1997年 佐賀県唐津市相知町に穴窯築窯
2019年 現在、唐津市相知町佐里にて作陶

谷穹プロフィール
1977年 滋賀県信楽町生まれ
2000年 成安造形大学立体造形クラス卒業
2003年 清右衛門陶房にて修行
2007年 双胴式穴窯を築窯
2012年 単室式穴窯を築窯
2019年 現在、信楽町にて作陶

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by sora_hikari | 2019-06-27 12:10 | 梶原靖元・谷穹 展

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