2019年 06月 25日
「梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」4日目
「梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」の4日目。
梶原靖元さんの梅花皮茶碗。かりっと焼け、指ではじくときーんと硬質な音がします。地味ながら唐津らしい内面的な奥行を感じます。梶原さんのお仕事の核は古唐津の再現にありました。味を付けた演出的な土もの唐津ではなく、材料の見直し、当時の焼成方法によって、400年前の石ものの唐津の姿を実証したことが梶原さんの功績です。それは古典回帰、懐古主義ではなく、形骸化した古唐津フォーマットをリロードする再生であったのです。さらに現在は古唐津の原点となる韓国や中国の古陶磁へ興味は広がっています。今展の茶碗を見ると多様でありながら、古唐津から派生してその根に繋がろうとする意識を感じます。この仕事を成すには経済的迎合から出発することは出来ません。古典をあらためて再現したとは言え、単なる写しで評価を得ようとはせず、その材料と当時の方法論をもって、どう今の時代に独自の器を表すか、ここが梶原さんの焼き物の真髄と言えましょう。
梶原靖元・谷穹二人展 古典再考
2019年6月22日(土)-30日(日) 会期中無休
営業時間 11時-18時
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図
梶原靖元プロフィール
1962年 佐賀県伊万里市生まれ
1980年 唐津焼太閤三ノ丸窯に弟子入り
1986年 京都 平安陶苑にてクラフトを習う
1989年 大丸北峰氏に師事して煎茶道具を習う
1997年 佐賀県唐津市相知町に穴窯築窯
2019年 現在、唐津市相知町佐里にて作陶
谷穹プロフィール
1977年 滋賀県信楽町生まれ
2000年 成安造形大学立体造形クラス卒業
2003年 清右衛門陶房にて修行
2007年 双胴式穴窯を築窯
2012年 単室式穴窯を築窯
2019年 現在、信楽町にて作陶
by sora_hikari | 2019-06-25 23:58 | 梶原靖元・谷穹 展