「梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」3日目-2

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梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」の3日目。雨の中、ご来店頂きました皆様にお礼申し上げます。

写真は、谷穹(たに・きゅう)さんの信楽広口大壺。高さ53センチの堂々とした姿です。谷さんの焼き物の要は、古信楽(こしがらき)にあります。信楽は日本六古窯に数えられる伝統的な焼き物産地。鎌倉時代から室町時代に作られた甕・種壺・すり鉢などの焼締めを「古信楽」と呼んでいます。

一般的にそれらは当時の民具であり、名も無き陶工によって作為なく作られたその自然体な姿が評価されがちですが、それだけでは無いのではないかというのが谷さんの推察です。何故なら、ご自身でその再現を試みる中で、意図せずして生まれ得ない焼き肌を知り、一概に大衆の道具ばかりとして作られたのではないという思いに至りました。事実、当時の社寺への奉納品と作られ公家に捧げる目的で作られた器があったと言います。

その疑問の根拠は、ご実家所蔵の古信楽コレクションに囲まれて育った環境にあります。現在の古信楽(写し)はビードロ状に窯変したどろどろしたものが多い中、実際の古い壺は、もっとかせた張りのある姿が多く、そのギャップを見直すことからスタートしているのです。この立脚点こそ、谷穹さんの焼き物の意味を探る鍵になるのです。


梶原靖元・谷穹二人展 古典再考
2019年6月22日(土)-30日(日) 会期中無休 
営業時間 11時-18時  
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図

梶原靖元プロフィール
1962年 佐賀県伊万里市生まれ
1980年 唐津焼太閤三ノ丸窯に弟子入り
1986年 京都 平安陶苑にてクラフトを習う
1989年 大丸北峰氏に師事して煎茶道具を習う
1997年 佐賀県唐津市相知町に穴窯築窯
2019年 現在、唐津市相知町佐里にて作陶

谷穹プロフィール
1977年 滋賀県信楽町生まれ
2000年 成安造形大学立体造形クラス卒業
2003年 清右衛門陶房にて修行
2007年 双胴式穴窯を築窯
2012年 単室式穴窯を築窯
2019年 現在、信楽町にて作陶

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by sora_hikari | 2019-06-24 21:17 | 梶原靖元・谷穹 展

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