2019年 05月 28日
「山田隆太郎展 令和の薪窯」4日目
「山田隆太郎展 令和の薪窯」の4日目。
粉引の碗と刷毛目鉢。山田さんは、このような食器を多く作りますが、その技法の原点は李朝初期の粉青沙器に辿り着きます。しかしながら、山田さんをはじめ、暮らしの器を作る多くの作家は、古典を再現することに注力することよりも、その風味を生かして現代の食卓に落とし込むことを意識しているように思います。この萌芽は暮らしの器を作る作家が現れ始めた90年代頃からではなかったでしょうか。
さて、古典様式とは距離を置いた粉引や刷毛目が定着した今、今後どこに向かうのか関心を持っています。慈愛に満ちた暮らしの器は、既成の土俵の上で取り組める安定感に支えられています。それは古典写しよりも、平成写しと言った方が的確かもしれません。
しかし当然ながら、そこには個々の意識の違い、技術の差が顕れます。今、その評価は顧客の受け入れ規模が基準になるものの、新たな原点探し(古典に限らず)や評価尺度が必要かもしれません。それは懐古主義とは異なり、何ゆえにそうであるのかという立脚点の再認識です。そういう点で旧来的な見解も改めて意味があるように思います。
山田隆太郎展 令和の薪窯
2019年5月25日(土)-6月2日(日)会期中無休
営業時間 11時-18時
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6
山田隆太郎プロフィール
1984年 埼玉県生まれ
2007年 多摩美術大学環境デザイン学科修了
2007年 造形家 樋口健彦氏に師事
2010年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2010年 多治見市にて独立
2014年 神奈川県相模原市(旧・藤野町)に移転
2019年 現在 同地にて作陶
by sora_hikari | 2019-05-28 20:39 | 山田隆太郎展2019