「山田隆太郎展 令和の薪窯」開催のお知らせ

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5月25日(土)から6月2日(日)に開催する「山田隆太郎展 令和の薪窯」のご案内です。

平成の始まり1990年代から、いわゆるザ・焼き物(桃山系)とは異なる意識の「うつわ」が誕生しました。記憶では故・青木亮さん、村木雄児さん、小野哲平さんなどが時代をリードし、あらたな「うつわ」の価値観を世間に植え付けたように思います。その頃、「生活工芸」と呼ばれる作家性を排除して暮らしの中で景色化する無国籍な「うつわ」が勃興しました。狭義に見れば平成を代表する「生活工芸」はこのようなスタイルを軸にしていますが、一方の桃山系の枠にない「うつわ」もまた広義に「生活工芸」の中にあったと思います。

平成も30年が過ぎ、一時のシンプルな器は影を潜め、今や装飾ブーム、あるいは対極的な原土と薪窯による焼き物の若い作り手が増えています。俯瞰するなら山田隆太郎さんも、その枠内にあり、平成うつわ時代の第二世・第三世代に位置する作家でしょう。薪窯によるうつわ作家が群雄割拠する今、それは単に平成のオマージュだけでなく、令和の時代に個々の作家がどうメッセージしていくのか関心をもって見ています。

山田隆太郎さんの多摩美環境デザイン、多治見意匠研という経歴を見れば、本来もっと美術工芸寄り、あるいは前衛系工芸の活動をする方が相応しいように思いますが、何ゆえに土着的な焼き物に惹かれ、それを体現しているのか。当時の開拓者であった作り手と、今の作り手の意識の違いは何を意味するのか。無個性が尊ばれた平成のうつわ時代が終わり、情念的なうつわに何故若者が惹かれるのか。それはデジタル化され乾燥した対人社会の中で、確かな手触りある実感を求めているようにも思えるのです。山田さんの仕事を通じて、これから令和時代がどう映ってくるのか見つめて行きたいと思っています。店主

山田隆太郎プロフィール
1984年 埼玉県生まれ
2007年 多摩美術大学環境デザイン学科修了
2007年 造形家 樋口健彦氏に師事
2010年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2010年 多治見市にて独立
2014年 神奈川県相模原市(旧・藤野町)に移転
2019年 現在 同地にて作陶


山田隆太郎展 令和の薪窯
2019年5月25日(土)-6月2日(日)会期中無休 
営業時間 11時-18時  
作家在廊日 5月25日、26日
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

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by sora_hikari | 2019-05-19 10:00 | 山田隆太郎展2019

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