2019年 05月 17日
「豊増一雄 展 文人趣味」7日目-2
「豊増一雄 展 文人趣味」の7日目-2。会期は明日5月18日(土曜日)の17時までとなります。
豊増一雄さんの染付。素にして上質。空にして疎でなく。風通しの良い筆致。詩趣ある巧さの絵付けです。絵柄は器胎の上の抽象であり、具象的な意味よりも記号的役割を心掛けていると聞きました。
若い頃に中国でも指折りの美術大学である中国美術学院で工筆花鳥画を学んだ経歴があります。南宋の都があった杭州の西湖のほとりにある大学での経験は、技法と共にその背景となる文化教養も下地になったのではないでしょうか。この経歴に見る限り、美術工芸の世界に向かっていても不思議ではないのですが、あにはからんや日常に根差した器を主軸に据えるのが我々にとって有難くもあります。
地元・有田から見える景色は中国南宋の風流と共に、古き朝鮮の寂寥の中にある慈しみの心だったでしょうか。三つの文化が織り交ざることで醸成された豊増さんの染付。その背景にも気づいて頂ければと思います。
豊増一雄さんの染付。素にして上質。空にして疎でなく。風通しの良い筆致。詩趣ある巧さの絵付けです。絵柄は器胎の上の抽象であり、具象的な意味よりも記号的役割を心掛けていると聞きました。
若い頃に中国でも指折りの美術大学である中国美術学院で工筆花鳥画を学んだ経歴があります。南宋の都があった杭州の西湖のほとりにある大学での経験は、技法と共にその背景となる文化教養も下地になったのではないでしょうか。この経歴に見る限り、美術工芸の世界に向かっていても不思議ではないのですが、あにはからんや日常に根差した器を主軸に据えるのが我々にとって有難くもあります。
地元・有田から見える景色は中国南宋の風流と共に、古き朝鮮の寂寥の中にある慈しみの心だったでしょうか。三つの文化が織り交ざることで醸成された豊増さんの染付。その背景にも気づいて頂ければと思います。
豊増一雄 展 文人趣味
2019年5月11日(土)~18日(土)会期中無休
営業時間 11時~18時 ※最終日は17時終了
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)
豊増一雄プロフィール
1963年 中国上海市生まれ
1990年 京都府立陶工訓練校 修了
1990年 八世高橋道八に師事
1994年 同地にて陶房七〇八を開窯
2019年 現在、佐賀県有田町にて作陶
by sora_hikari | 2019-05-17 17:30 | 豊増一雄展2019