2019年 05月 14日
「豊増一雄 展 文人趣味」4日目
「豊増一雄 展 文人趣味」の4日目。
豊増一雄さんの青瓷茶碗、青瓷盃。印花文による微妙な濃淡。この青瓷もまた冬枯れの山影を見るように寡黙な内面性を感じます。初期伊万里に近づく染付磁器を中心に据える豊増さんですが、青瓷は染付の源流である中国陶磁を辿る中で行き着いた作風です。元来、玉(ぎょく)に近づくための青磁は白磁や鉄釉よりも上位にある器。茶の世界でも青磁は茶映りの美しさゆえに珍重されました。わずかな鉄分によって発色する青緑の奥行。焼成温度の幅の狭さにより一律には得ずらい器でもあります。豊増さんのそれは、宜興の紫砂茶壷を研究する過程で、唐津の頁岩や泥岩に紫砂に近い焼きを見出し、そこに青瓷釉を施すことで得ています。有田から韓国(李朝)、さらには中国へと向かう姿は、豊増さんの必然でもあるでしょう。
豊増一雄さんの青瓷茶碗、青瓷盃。印花文による微妙な濃淡。この青瓷もまた冬枯れの山影を見るように寡黙な内面性を感じます。初期伊万里に近づく染付磁器を中心に据える豊増さんですが、青瓷は染付の源流である中国陶磁を辿る中で行き着いた作風です。元来、玉(ぎょく)に近づくための青磁は白磁や鉄釉よりも上位にある器。茶の世界でも青磁は茶映りの美しさゆえに珍重されました。わずかな鉄分によって発色する青緑の奥行。焼成温度の幅の狭さにより一律には得ずらい器でもあります。豊増さんのそれは、宜興の紫砂茶壷を研究する過程で、唐津の頁岩や泥岩に紫砂に近い焼きを見出し、そこに青瓷釉を施すことで得ています。有田から韓国(李朝)、さらには中国へと向かう姿は、豊増さんの必然でもあるでしょう。
豊増一雄 展 文人趣味
2019年5月11日(土)~18日(土)会期中無休
営業時間 11時~18時
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)
豊増一雄プロフィール
1963年 中国上海市生まれ
1990年 京都府立陶工訓練校 修了
1990年 八世高橋道八に師事
1994年 同地にて陶房七〇八を開窯
2019年 現在、佐賀県有田町にて作陶
by sora_hikari | 2019-05-14 18:42 | 豊増一雄展2019