「豊増一雄 展 文人趣味」3日目

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豊増一雄 展 文人趣味」の3日目。

とろりと柔らかな肌合い。釉下の掠れた青花の草文。侘び枯れの染付面取り徳利です。豊増一雄さんの磁器は、この悲しさを湛えた「焼き肌」が魅力です。単室登窯による薪焼成。白磁を焼くにはリスキーですが、有田の泉山陶石を用い、時間を退行させた方法に倣うことで、この焼き味を得ます。

不鮮明にして心の内面に触れる焼き物の美意識は日本独特に思えますが、例えば音楽の世界に置き換えて考えるなら、美声ばかりでなく、不明瞭、くぐもった声、あるいは病的な言葉など、負の方向に感情移入することはままあることです。

これを表現するに肝心なのは、それを感じる眼と心があるか否か。あるいはコンプレックスなのか。正攻法の人生だけでは学べない心の痛みを経験しているか。その空白を埋めようとするピースであり、お互いが響きあう共感が、哀しさの造形を支えているように思います。


豊増一雄 展 文人趣味
2019年5月11日(土)~18日(土)会期中無休
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)

豊増一雄プロフィール
1963年 中国上海市生まれ
1990年 京都府立陶工訓練校 修了
1990年 八世高橋道八に師事
1994年 同地にて陶房七〇八を開窯
2019年 現在、佐賀県有田町にて作陶

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by sora_hikari | 2019-05-13 17:53 | 豊増一雄展2019

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