2019年 04月 08日
「森岡希世子・澤谷由子 二人展 見目麗し」3日目
「森岡希世子・澤谷由子 二人展 見目麗し」の3日目。
今回の新作となる森岡希世子さんの黒い花器。鶴首のような細く引き揚げた口が印象的です。従来の清涼感のある白磁を籾殻(もみから)で炭化させて黒を吸着しています。完全な黒でなく濃淡のグラデーション、艶と艶無しの変化などが景色を作ります。
森岡さんは職人として「ろくろ師」の経験があります。九谷の上絵作家のための生地づくり。それは正確であると同時に、回転体+上方(あるいは横方向)への勢いを失なわないシルエットが求められます。陶芸作品が、木彫刻や彫塑と大きく違うのは、焼成というプロセスのみならず、可塑性のある粘土を、ろくろによる内側からの力で挽き上げる造形的なベクトルにあります。
それは最終的に張りを感じるか否か。そこに結果が顕れます。腰のない磁土をここまでの高さに挽く技量の高さに、同業の陶芸家も納得してくれるのではないでしょうか。パーンと張った膨らみと、上方にスッと伸びる心地良さ。見ていて惚れ惚れする、花いらずの花器でもあります。
籾殻鶴首花器 高さ45cm
籾殻鶴首花器 高さ30cm
黒鶴首花器 高さ30cm
黒鶴首花器 高さ25cm
今回の新作となる森岡希世子さんの黒い花器。鶴首のような細く引き揚げた口が印象的です。従来の清涼感のある白磁を籾殻(もみから)で炭化させて黒を吸着しています。完全な黒でなく濃淡のグラデーション、艶と艶無しの変化などが景色を作ります。
森岡さんは職人として「ろくろ師」の経験があります。九谷の上絵作家のための生地づくり。それは正確であると同時に、回転体+上方(あるいは横方向)への勢いを失なわないシルエットが求められます。陶芸作品が、木彫刻や彫塑と大きく違うのは、焼成というプロセスのみならず、可塑性のある粘土を、ろくろによる内側からの力で挽き上げる造形的なベクトルにあります。
それは最終的に張りを感じるか否か。そこに結果が顕れます。腰のない磁土をここまでの高さに挽く技量の高さに、同業の陶芸家も納得してくれるのではないでしょうか。パーンと張った膨らみと、上方にスッと伸びる心地良さ。見ていて惚れ惚れする、花いらずの花器でもあります。
森岡希世子・澤谷由子 二人展 見目麗し
2019年4月6日(土)-14日(日) 会期中無休
営業時間 11時-18時
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)地図
森岡希世子 Kiyoko Morioka
1974年 石川県金沢市生まれ
1994年 デンマーク王国 Holbek美術国民学校 留学
1999年 石川県立九谷技術研修所 修了
2012年 伝統工芸士認定(九谷焼成形部門)
2016年 金沢美術工芸大学 美術工芸研究科 博士課程 修了
2019年 現在神戸芸術工科大学アートクラフト学科 准教授
澤谷由子 Yuko Sawaya
1989年 秋田県横手市生まれ
2012年 岩手大学教育学部芸術文化課程造形コース卒業
2014年 上越教育大学大学院芸術系コース修了
2017年 金沢卯辰山工芸工房 修了
2019年 現在、石川県能美市 在住
by sora_hikari | 2019-04-08 18:28 | 森岡希世子・澤谷由子展