2019年 03月 13日
「古谷宣幸 展 天目茶盌と食の器」 5日目

「古谷宣幸 展 天目茶盌と食の器」の5日目。
古谷さんからこんな話を聞きました。
父親は陶芸家だったけれど、自宅の食卓に並ぶ食器は量産品ばかりだった。当時、陶芸家が作る器は美術品のようなもので、自宅で日常的に使うためのものではなかった。自分の家に限らず、多くの陶芸家の家庭はそういう状況だったのではなかろうか。大学を卒業してから唐津の中里隆さんの元で修業した際に驚いたのは、日常の食器が中里さんが作ったものだったこと。大先生であったにも関わらず、自ら料理し、自分の器に盛り付け、客をもてなす。今なら当たり前のことかもしれないけれど、当時はそのことにとても感銘した。そして自分もそうありたいと願った。
古谷さんの日常寄りの食器と美術寄りの天目茶碗を繋ぐ意識には、そんなご自身の経験にあるようです。器を扱う側にもそんな溝はまだあるかもしれません。もっとお互いが交ざり合って、それぞれの良さを認め合うことが豊かな心を育てるように思います。
古谷宣幸 展 天目茶盌と食の器
2019年3月9日(土)~17日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)
地図
古谷宣幸プロフィール
1984年 滋賀県信楽町生まれ
2003年 信楽高校デザイン科卒業
2005年 京都嵯峨芸術大学短期大学部陶芸コース卒業
2007年 中里隆氏に師事
米国コロラド州アンダーソンランチアートセンターにて作陶
滋賀県立陶芸の森レジデンスアーティスト
2008年 デンマークスケルツコーにて作陶
2009年 岐阜県土岐市花ノ木窯にて作陶
2015年 米国コロラド州アンダーソンランチアートセンターゲストアーティスト
2019年 滋賀県信楽町にて作陶
by sora_hikari | 2019-03-13 17:42 | 古谷宜幸展