「川口武亮展 さらばインスタ」8日目

川口武亮展 さらばインスタ」の8日目。会期は2月3日(日曜)まで。最終日は時間を繰り上げて17時で終了させて頂きます。

写真は、佐賀県有田町の川口武亮さんの工房の様子です。川口さんお一人で使うには贅沢な広さ。窯の数も多く、個人作家の製作環境としては恵まれています。有田の景気のいい頃は、こういう窯場がどこでもフル稼働していたのでしょう。

ご祖父もお父様も有田の焼き物に携わるお仕事でしたから、稼業をそのまま引き継いで有田焼作家になっていれば、それなりの立ち位置にいたのではないでしょうか。しかし高校卒業後に有田窯業大学に入るものの、半年で辞め、福岡県でサラリーマンを経験。なんとその頃に通った陶芸教室で作った作品が伝統工芸展で入選していたそうです。

それを契機に、あらためて有田窯業大学に入り直し、絵付けとろくろの勉強をしました。卒業後に有田陶器市に出店していましたが、鳴かず飛ばずの状況の中、地元の山本英樹さんの元に外弟子として通う中で粉引の器に惹かれていったそうです。ここが土ものとの出会いだったそうです。

その後、花岡隆さんの粉引を知り、伊豆を訪ねて弟子入りを志願しますが、無念にも断られた結果、伊賀の番浦史郎さんのもとで1年間修行。しかし師匠を病で亡くし、再び花岡隆さんと再会。ここでようやく花岡さんのもとで働くことが叶いました。

その修行を3年経て、ようやく有田に戻り、独立したのが30歳。有田育ちながら、紆余曲折を経て遅咲きのスタートでした。その頃、盛んになり始めたクラフトフェアをきっかけに、暮らしに向いた粉引、三島手の器で好評を得て、仕事も忙しくなっていきました。さらに昨今のうつわ市場の盛り上がりやSNSによって益々広がっていきました。

独立後、順風であったはずの状況に気持ちの変化が顕れ始めたのが、ここ数年のこと。禅の本を読んだことをきっかけに、販売を広げる事へのこだわりが無くなったと言います。インスタを辞めたのもちょうどその頃。独立から15年目。自分の培ってきたうつわ、取引先、顧客。あらためて原点に立ち返って何を作りたいのか。誰のために作るのか。そしてこれからどこに向かうのか。自分に問い直す時期なのだろうと思います。

考えてみれば、川口さんをたらしめてきたのは、規定の路線に安易に乗らずに、自分の方法を見出すことだったのではないでしょうか。そう考えると、今、ここで変化しようとする姿は川口さんが選んで来た道そのものだと思うのです。今はまだ始まったばかり。これからどうなっていくのか楽しみです。ぜひ「ただいま、インスタ」も見てみたいものです。

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川口武亮展 さらばインスタ
2019年1月26日(土)~2月3日(日)会期中無休
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6) 地図
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川口武亮プロフィール
1974年 佐賀県有田生まれ
2000年有田窯業大学校卒業
2001年番浦史郎氏に師事
2002年花岡隆氏に師事
2005年有田にて独立

by sora_hikari | 2019-02-02 22:27 | 川口武亮展

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