「川口武亮展 さらばインスタ」開催のお知らせ

d0087761_22491984.jpg

1月26日(土)から始まる「川口武亮展 さらばインスタ」のご案内です。

有田の川口武亮さんがインスタのアカウントを突如として削除したと聞いたのは2017年の冬でした。2005年から数々のクラフトフェアや展覧会を経験し、良質で使い易い粉引の器を中心に着実に人気を集めてきました。さらにここ数年のSNS(インスタグラム等)の広がりによって、人気は加速し展覧会を開けば、多くのファンが詰めかける状況が続いていました。増え続ける需要に疲れてしまったのか、はたまた人気の質に疑問が湧いてしまったのか、とは言え恵まれた状況を考えれば、実に未練もなく覚悟をしたものだと思ったのでした。

しかし、確かに暮らしのうつわが広がり始めた頃とはまた違った近年の狂騒ぶりもあり、その期待に応えるために摩耗していく自分と市場の変容に違和感をもつ作家がいることも事実です。いつまでこれは続くのか?うつわの何を評価してくれているのか?作る側の思いと受け止める側の気持ちの乖離の狭間で揺れ動いているのです。

有田焼の地で生まれ、祖父も父親も焼き物を稼業とする家庭で育った川口さんですが、有田窯業大学校を出たものの、伝統的な有田焼の道は歩まず、暮らしの黎明期を切り開いた伊豆の花岡隆さんのもとで修業を積み、敢えて世襲的な陶芸を選びませんでした。紆余曲折を経て独立したのが30歳を迎えた2005年。まさに暮らしの器が飛躍し始めた頃でした。

川口さん同様に、暮らしの器ブームの中で育った作り手たちは今、過渡期を迎えています。あらためて古典の道を求めるのか。あるいは今の狂騒する市場から距離をおいて、自分を捉え直すのか。確かに今回届いた川口さんのうつわを見ると、万人に向けた均質化は影をひそめ、一品づつに籠めた力強さを感じます。

「さらばインスタ」とは扇情的なタイトルに聞こえるかもしれませんが、決してその良否を問う訳ではないのです。川口さんの心境の変化は、他の作り手にもお店側にも通ずるテーマでもあります。まだ答のない手探りの中で、自身の感覚を信じてどこに向かうのか、弊店も意識を重ね合わせてみたいと思い今展が実現しました。いま変化のとき。川口武亮さんの覚悟を決めたお仕事をご覧頂ければ幸いです。店主

川口武亮プロフィール
1974年 佐賀県有田生まれ
2000年有田窯業大学校卒業
2001年番浦史郎氏に師事
2002年花岡隆氏に師事
2005年有田にて独立


川口武亮展 さらばインスタ
2019年1月26日(土)~2月3日(日)会期中無休
営業時間 11時~18時 
作家在廊日 1月26日(土)・27日(日)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6) 地図

d0087761_2249315.jpg


by sora_hikari | 2019-01-21 22:53 | 川口武亮展

<< 「川口武亮展 さらばインスタ」... 「田中陽子・永草陽平二人展 G... >>