「伊藤雅風展  急須愛」4日目

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伊藤雅風 展  急須愛 」(~12/25迄)の4日目。

伊藤雅風さんの急須の根幹になるのは、やはり「土造り」です。地元・知多半島の土を中心に、伊賀、四日市、静岡、北海道の土など多様な土を使っています。いわば土マニア。

根や石の混ざった原土の状態から、水簸を繰り返して、何度も何度も濾してきめ細かな土にするのに半年から一年をかけます。暑い夏は蚊にさされ、寒い冬は冷たい水に凍えながら、ひたすら愚直に土を造ります。さらにその土を一年間寝かせてようやく急須に向いた土が出来あがります。

人工的な顔料は混ぜず、土そのものを焼く焼締が基本です。きめ細かい土の焼締は、お茶の渋みを軽減し旨みが引き出されると言われています。急須の本家となる中国の宜興急須も、常滑の朱泥急須も、万古の紫泥の急須もみな焼締です。お茶の香りと味を大切にする伝統的な急須は、みな焼締なのです。

土の荒々しさを活かす焼締めもあれば、雅風さんの急須のように土をとことんきめ細かくする焼締もまた「土」の良さを引き出しているのです。


伊藤雅風展  急須愛
2018年12月15日(土)~25日(火)会期中無休
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図

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伊藤雅風プロフィール
1988年 愛知県常滑市に生まれる
2007年 常滑高等学校セラミック科卒業
2009年 村越風月氏に師事
2011年 名古屋造形大学産業工芸コース卒業
2012年 独立
2018年 現在、愛知県常滑市にて制作


by sora_hikari | 2018-12-18 19:47 | 伊藤雅風展2018

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