2018年 12月 09日
「森岡成好展 2018年冬」ありがとうございました
「森岡成好展 2018年冬」は本日終了しました。会期中ご来店頂きました皆様に御礼申し上げます。
今展は個性のある一品も多く見応えのある内容でした。信楽や石垣の土を使った新たな作風にもチャレンジされ、2018年冬の新たな取り組みを見て頂くことが出来たと思います。
森岡さんの器を初めて見た時は、ちょうどアノニマスな器が全盛だった頃で、その対比もあってか骨太な器に驚いたことを覚えています。軽やかに洗練されていく器の文脈の指からこぼれ落ちていく物としての存在感。それは魂だったり、愛だったり、今時歌われなくなった演歌や民謡のような人情や土着から滲み出たような器で、それがかえって時代の対極として新鮮に映りました。
それよりも前の書籍(90年代)に載っている森岡さんの仕事を見ると、そういう作風は当初から、さほど変わっておらず、むしろ世間の受け止め方が変化したとも言えるでしょう。ずっと森岡さんを支持してきたのは、ひと世代上のリベラルな方たちで、ある特定のコミュニティの中で評価されてきた向きもあるのではないでしょうか。
そんな頃に森岡さんの現代性に気付かせてくれたのが、スターネットの馬場さんでした。益子スターネットの白を基調にした天井の高い空間で見た大壺や大皿は本当にかっこよかった。今の暮らしと馴染む親和性と共に、焼き物としての象徴性を兼ね備えた新たな提案として受け止めました。それは森岡さんや奥様・由利子さんの仕事を今の時代の人に繋ぐきっかけになったと思います。
今展で森岡さんが着ていたジャケットは、形見分けにもらった馬場さんのもの。特別なものよりも日頃から身につけていたものがいいと譲って頂いたそうです。夏のパンツ一丁もかっこいいですが、そんな友人(と言っている)を大切にし続ける森岡さんが素敵です。
うつわの美しさは、外形とそれを成す人が一緒になって醸成されます。変わらない生き方。求め続ける深さ。地に足のついた暮らしから生まれる器。森岡さんは決してレガシーではなく、いまだ進行形です。
お持ち帰り頂きました森岡さんの器が皆様の心と暮らしを豊かにしますように。たくさんの笑顔と賛同を頂きました。この度はありがとうございました。
これからの営業案内
うつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)
12/10(月)~14(金) 搬出・設営休み
12/15(土)~25(火) 伊藤雅風展
12/26(水)~1月11日(金) 年末年始休
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by sora_hikari | 2018-12-09 17:00 | 森岡成好展2018