「中野知昭 漆器展 明鏡の蒔絵」ありがとうございました

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中野知昭 漆器展 明鏡の蒔絵」は本日終了しました。ここ数日の冷えこみで紅葉もいっきに進みました。会期中にご来店頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。

中野知昭さんは、越前漆器の里、福井県鯖江市の河和田で生まれ育ちました。塗師の父親を持ち、幼い頃から漆器の環境に触れてきました。河和田は伝統のある漆器の町。景気の良い頃は仕事がたくさんあって、町も潤ったようです。

しかし生産の海外流出、生活の変化による漆器離れ、景気の後退など、産業としての漆器は大きく疲弊しています。量産漆器を主とする河和田もその影響を大きく受け、新しい作り手がなかなか育ちづらいようです。

中野さんはこのような環境の中、敢えて個人の「塗師(ぬし)」の道を選びました。量産漆器の枠に入らず、自分の名前で良質なものを届ける仕事。作り手の顔が見える仕事がしたい。それが、中野さんの信念です。

かつて河和田には、山本英明さんという塗師がいました。「塗師屋のたわごと」という本を執筆され、漆器の在り方や世相に対して、ご自身の考えをストレートに語った方でした。明漆会という団体をつくり、もう一度、きちんとした漆器の良さを取り戻そうという活動もしていました。素朴で日常使いの漆器の大切さを唱えた人です。中野さんが塗師として独立する上で、その影響は大きかったようです。

中野さんは、河和田の漆器に誇りを持っています。量産漆器の町にあって、個人作家の活動は微々たるものかもしれません。しかし次世代に繋ぐ可能性を示すために、中野さんは孤軍奮闘しています。

言葉は少ないけれど、日々確かな仕事を積み重ねていく信頼できる塗師です。これからもどうぞ中野さんの活動にご注目下さい。お持ち帰り頂きました漆器は、日々使う中でその良さを実感して頂けることと思います。皆様のお暮らしを豊かにすることを心より願っております。

この度はありがとうございました。


これからの営業案内

うつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)
11/26(月)~11/30(金) 搬出・設営休み
12/1(土)~12/9(日) 森岡成好 展
12/10(月)~14(金) 搬出・設営休み
12/15(土)~25(火) 伊藤雅風展

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by sora_hikari | 2018-11-25 17:34 | 中野知昭展2018

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