2018年 08月 12日
「谷口 嘉 ガラス展 真夏の薄氷」ありがとうございました

「谷口 嘉 ガラス展 真夏の薄氷」は本日終了しました。会期中は、猛暑、台風、そしてお盆休みにも関わらず、ご来店頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。
谷口さんが卒業された多摩美で工芸を専攻される方は、どちらかと言うとアート作品を志向される事が多いと聞きます。いや、多摩美に限らず昨今の美大の工芸系はそのような傾向にあるのではないでしょうか。
一方、卒業後に社会経験を経て、クラフト(うつわ)を手掛ける方も増えています。それは市場の広がりや周辺作家の変化を目の当たりにすることで、制作と生活の均衡を量る経済的な帰結であるように思います。しかし、それ以上の動機として考えられるのは、自分が作ったものが実際に購買される=つまり自己承認を得られる「リアリティ」が大きなモチベーションに繋がっているのではないでしょうか。
アートからの転向(または掛け持ち)は決して妥協ではなく、創作することと実生活を繋ぐ選択であり、両者の昇華による結実であって欲しいと思います。どちらかの優劣を測るよりも、両者は表裏一体であり、「うつわ」もまたアート活動なのだと認識して頂ければと思います。
今回、谷口さんの「うつわ」を通じて感じたのは、アート作品としてのガラスと、実用のガラスに違和感がないことです。面白いのは表現的なうつわではなく、型吹きというむしろプロダクト的うつわを選んでいること。それは形状の相似を求めるのではなく、ガラスという素材の捉え方に一致がある点です。暮らしの道具にフォーカスしようと、ガラス特有のアート性を表現する方法もあるのです。
今回お持ち帰り頂きました谷口さんのガラス器が、皆様の食卓を、そして心を豊かにしてくれることを願っております。この度はありがとうございました。
これからの営業案内
うつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)
8/13(月)~9/7(金) 夏期休業
9/8(土)~9/16(日) スギサキマサノリ 展
9/17(月)~9/21(金) 搬出・設営休み
9/22(土)~9/30(日) 野口悦士 展
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by sora_hikari | 2018-08-12 20:12 | 谷口嘉展