「東亨 展 金属のアフォーダンス」8日目

東亨 展 金属のアフォーダンス」の8日目。会期は明日6/17(日)で終了します。最終日は東さんが再び在廊いたします。

写真は東さんのご自宅の作品置き場、そして鍛金作業をしている近くの公園の様子です。

東さんは1988年生まれ。現在は大阪府堺市で暮らしています。お祖父様は美容師用のはさみ職人、お父様はジュエリーの原型師で、もの作りを生業とする家系に育ちました。

大学は大阪芸大にすすみ、金属工芸コースを専攻。卒業制作ではパンチングメタルを使った器(つまり実用的でない)を製作したそうです。大学卒業後も助手として3年間残り、その際に象とコミュニケーションを取るための「象とのラッパ」や水を観察するためのジュエリー「最上川へ」を製作しました。

大学を出てからは、一時臨時教員を経験しますが、その頃に西成の飲み街で日雇い労働者の方と話をする中で、社会や歴史に興味が湧き、知的障害者をアーティストと位置づけて創作活動を支援する社会福祉法人アトリエインカーブに入社しました。現在も資格をとるべく、通信教育で勉強をしており、社会福祉の哲学を工芸と重ねて考察しています。

作家活動は、2015年の灯びとの集いの出展の際に、アウトバウンドの小林和人さんとのご縁をきっかけに現在のような制作に至っています。主な製作場所はガレージや公園、そして河原でも行います。河原の石や切り株を金槌や当て金に使い、環境に沿って出来るものを活かしています。

東さんの作品のユニークさは、社会福祉の仕事を通して得た考え方にあります。通常、福祉を通した工芸となると、人に奉仕する実用的な道具に気持ちが向くように思いますが、東さんの場合、障害者の支援をすることで学んだ人と対象物を転じた概念的な視点で創作していることが独特です。

例えば臨床心理学からみたアフォーダンスをはじめ、環世界(生物側から見た知覚)やノーマライゼーション(障害者と健常者の環境の同一化)など、従来の人の意識を主体にしたモノの捉え方ではなく、軸足をモノ側に置く考え方です。

このように2つの仕事は、吸収(福祉活動)と発露(作品制作)として両立しており、どちらが欠けても今の作品は成り立たないのです。今展のような意識主体から離れた作品を理解するには、社会福祉の実体験が影響していることから読み解くことで、その本意が伝わってくるのです。

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東 亨 展 金属のアフォーダンス
2018年6月9日(土)~17日(日) 会期中無休
次回在廊日 6月17日(日)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)地図

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東 亨(あずま・りょう)プロフィール
1988年   三重県生まれ
2011年   大阪芸術大学 金属工芸コース修了
2011~14年  同大学にて助手
2015年~  社会福祉法人に勤務
2018年   現在、大阪府堺市在住 近隣で製作


by sora_hikari | 2018-06-16 17:46 | 東亨

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