2018年 06月 15日
「東亨 展 金属のアフォーダンス」7日目
「東亨 展 金属のアフォーダンス」の7日目。
写真は東亨さんのワイヤー作品。緑青のかごや錆びたはりがねです。今回、塊り状の作品が多いなかで、空気を包む虚ろな存在が異彩を放っています。東さんの金属の捉え方の幅を感じる作品です。
何かを作って発表をするからには、無頓着を装ったとしても根底には承認欲求があるものです。しかし誰にその思いを届けたいかで作品態度は変わってきます。万人に理解されたいなら最大公約数の笑顔が必要でしょうが、自分の殻に近づいてもらえるささやかな喜び方もあります。見方を変えれば、作品の在り方は、誰と出会いたいかというフィルターでもあり、その濾過された評価を求めて制作しているとも言えます。もちろん経済的多寡に左右されますが、人はそんな態度に気持ちが動かされるものです。
東さんは大学時代に、天王寺動物園の象とコミュニケーションするための「象とのラッパ」を作ったことがあるそうです。あの「パオ―ン」という音を出すことで会話できるのではないかと。しかし普段低周波でコミュニケーションする象にとって「パオ―ン」という高周波音は警戒音でしかないらしく、動物園で実際にラッパを試したところ飼育員にひどく怒られたそうです。得てして思いは届かないことの方が多いものです。残念な顛末ではありますが、東さんの制作思考を表すエピソードです。
何を作って、誰に伝えたいかは、つまりはその人がどう生きたいかという本質に関わることだと思っているのです。さて会期はあと2日。東さんの「パオ―ン」が届く人と出会えるでしょうか。最終日の6月17日(日曜)は東さんが再び在廊いたします。どうぞお出掛けください。
写真は東亨さんのワイヤー作品。緑青のかごや錆びたはりがねです。今回、塊り状の作品が多いなかで、空気を包む虚ろな存在が異彩を放っています。東さんの金属の捉え方の幅を感じる作品です。
何かを作って発表をするからには、無頓着を装ったとしても根底には承認欲求があるものです。しかし誰にその思いを届けたいかで作品態度は変わってきます。万人に理解されたいなら最大公約数の笑顔が必要でしょうが、自分の殻に近づいてもらえるささやかな喜び方もあります。見方を変えれば、作品の在り方は、誰と出会いたいかというフィルターでもあり、その濾過された評価を求めて制作しているとも言えます。もちろん経済的多寡に左右されますが、人はそんな態度に気持ちが動かされるものです。
東さんは大学時代に、天王寺動物園の象とコミュニケーションするための「象とのラッパ」を作ったことがあるそうです。あの「パオ―ン」という音を出すことで会話できるのではないかと。しかし普段低周波でコミュニケーションする象にとって「パオ―ン」という高周波音は警戒音でしかないらしく、動物園で実際にラッパを試したところ飼育員にひどく怒られたそうです。得てして思いは届かないことの方が多いものです。残念な顛末ではありますが、東さんの制作思考を表すエピソードです。
何を作って、誰に伝えたいかは、つまりはその人がどう生きたいかという本質に関わることだと思っているのです。さて会期はあと2日。東さんの「パオ―ン」が届く人と出会えるでしょうか。最終日の6月17日(日曜)は東さんが再び在廊いたします。どうぞお出掛けください。
東 亨 展 金属のアフォーダンス
2018年6月9日(土)~17日(日) 会期中無休
次回在廊日 6月17日(日)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)地図
東 亨(あずま・りょう)プロフィール
1988年 三重県生まれ
2011年 大阪芸術大学 金属工芸コース修了
2011~14年 同大学にて助手
2015年~ 社会福祉法人に勤務
2018年 現在、大阪府堺市在住 近隣で製作
by sora_hikari | 2018-06-15 17:35 | 東亨