「東亨 展 金属のアフォーダンス」6日目-2

東亨 展 金属のアフォーダンス」(~6/17迄)の6日目-2。

銅製の小壺を除きジャンク感満載の作品です。どこまで手が加わったのか、加わっていないのか、判然としないものもあります。人は誰しも不可解なものに出会うと、自分の知識と照らし合わせて何らかの共通項を見出して解釈を試みます。

これはデュシャンのレディメイドやダダイスムのような価値の転換、破壊であるとか、セザールの圧縮彫刻やチェンバレンのようなジャンクアートであるとか。いや主体と客体を区別しないもの派に近い。いやいや、もっと民藝思想の無碍の美とか他力に近いとか。いやいやいや、もっと死生観を表すメメントモリとか九相観とか。いやいやいやいや、アートや思想の例えでなく、もっと心に湧く寂寥とした退廃や寂びといった観念であるとか。いやいやいやいやいや、生活工芸から派生した作用派でしょ、とか。

アートという土俵で語るならもっと強度のある文脈が望まれますし、工芸的であるなら技術を問われますが、東さんの場合、これをアフォーダンスや中動態といった自己の能動性を取り除こうとしますから、その無機質な意図を受け入れらるかが分かれ目になるかもしれません。前衛といった表現をかわすアイロニーも感じますし、回りくどい解釈を離れて、土産物のような置き物として感受できれば、東さんにとって一番相応しいのかもしれません。既成の枠をはずして接して頂ければと思います。

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東 亨 展 金属のアフォーダンス
2018年6月9日(土)~17日(日) 会期中無休
次回在廊日 6月17日(日)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)地図

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東 亨(あずま・りょう)プロフィール
1988年   三重県生まれ
2011年   大阪芸術大学 金属工芸コース修了
2011~14年  同大学にて助手
2015年~  社会福祉法人に勤務
2018年   現在、大阪府堺市在住 近隣で製作


by sora_hikari | 2018-06-14 18:04 | 東亨

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