「東亨 展 金属のアフォーダンス」5日目-2

東亨 展 金属のアフォーダンス」(~6/17迄)の5日目-2。

再び亜鉛鉄板(トタン)の作品です。

東さんは作品づくりに於いて、最終的に自分の手で表現したというよりも、結果的に「そう成った」という感覚の方が近いそうです。それを例えて「中動態」という考え方を示してくれました。能動と受動の間にあるのが中動態です。

作家が何か作る際には、往往にして自らの意志を形にして表現をしようと試みますが、東さんの場合、製作当初から具体的な結果を想定せずに、作っていく過程でそれは現れ、完成後に形が成ると考えています。素材に対して能動的でもなく、また素材から導かれるだけの受動態でもなく、むしろ素材との「あいだ」で起きる中動態的な行為によって結果が生まれるのです。

作家の意志や主語からもたらされるものとは隔絶した形。主体のない存在こそが、東さんの考える「作品」です。意志が先立つと表現論になりがちですし、素材からの受動だけに終始すると宗教的な言葉になりがちです。もっと中庸な乾いた意志とでも言えばいいでしょうか。自己表現や技術が先立たない作品の虚ろさは、そんな考えからきているのです。

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東 亨 展 金属のアフォーダンス
2018年6月9日(土)~17日(日) 会期中無休
次回在廊日 6月17日(日)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)地図

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東 亨(あずま・りょう)プロフィール
1988年   三重県生まれ
2011年   大阪芸術大学 金属工芸コース修了
2011~14年  同大学にて助手
2015年~  社会福祉法人に勤務
2018年   現在、大阪府堺市在住 近隣で製作


by sora_hikari | 2018-06-13 18:39 | 東亨

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