「東亨 展 金属のアフォーダンス」開催のお知らせ

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6月9日(土)から6月17日(日)まで開催する「東亨 展 金属のアフォーダンス」のご案内です。

大阪府堺市の東亨(あずまりょう)さんは金属造形作家。使う素材の多くは拾ってきた錆びた鉄板やブリキ板。専用の工房は持たず、道端や公園や河原で鍛いて成形しています。完成形はイメージせず、時間を経た金属の意思を探りたいと言います。通常人が何かを造形する際は、素材をコントロールして自分の意思や役割に変換することが目的であり、ある意味で支配的です。しかし東さんの場合、なるべく専門の機械や道具に頼らずに、素材から感じる意思を感じとりながら、その形を導き出そうとします。時間を経た金属に宿った感情と意思。まるで生き物のように、対象物を主体にした視点で捉えています。自然に能動的に立ち向かう西洋的思想に対して、融和的であろうとする東洋的な考えが創作の根底にあるのです。

ひと頃、デザインの世界で話題になったアフォーダンスという言葉。元々アメリカの知覚心理学者ジェームズ・ギブソン(1904-79)による言葉で、環境の意味や価値は認識主体によって加工されるのでなく、環境からの刺激情報のうちにすでに提供され、固有の形をとっているという思想です。これを俗解するなら、人がモノに対して意味を与えるのではなく、すでにモノに人の行為を引き出そうと提供(アフォード)する機能が備わっているという主客を転じた見方です。東さんは、現在も続けている知的障害者の創作支援をする社会福祉の仕事を通して、人が作りしモノの原点を自主的な知覚からだけではなく、モノ側から人の方が啓発されていることを実体験として感じているのです。金属からアフォードされた意味を造形する作家、東亨さんのお仕事をどうぞご覧ください。店主

東 亨(あずま・りょう)プロフィール
1988年   三重県生まれ
2011年   大阪芸術大学 金属工芸コース修了
2011~14年  同大学にて助手
2015年~  社会福祉法人に勤務
2018年   現在、大阪府堺市在住 近隣で製作


東 亨 展 金属のアフォーダンス
2018年6月9日(土)~17日(日) 会期中無休
作家在廊日 6月9日(土)・10日(日)・17日(日)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)地図

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by sora_hikari | 2018-06-04 17:52 | 東亨

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